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G2降格ひとまず回避も「微妙な立ち位置」に変わりなし?キングカメハメハ、ディープスカイがダービー馬も…「役割を終えた感」を拭えないNHKマイルC

NHKマイルCを制したジャンタルマンタル 撮影:Ruriko.I
NHKマイルCを制したジャンタルマンタル 撮影:Ruriko.I

 9日にJRAが先週末に行われた重賞レースのレーティングを発表。注目したいのはNHKマイルC(G1)を勝ったジャンタルマンタルに118ポンドという高い評価が与えられたことだ。

 ちなみに勝負どころでスムーズさを欠いて敗れた2着のアスコリピチェーノは109ポンド。進路を失う致命的なアクシデントが発生したこともあり、消化不良の結果に終わったが、勝ち馬とは9ポンドの大差がついた。さらに2004年のキングカメハメハと2021年のシュネルマイスターがマークした117を超えて、ジャンタルマンタルは歴代最高評価の優勝馬となったのである。

過去最高118ポンドでも喜べない事情

 とはいえ、NHKマイルCの「低レベル化」が話題に上るようになったのは、ここ数年の話でもない。下馬評通りにワンツーフィニッシュを決めた両馬がいずれも2歳G1を勝っている実力馬であることは確かだが、意地の悪い見方をすればクラシックで負けた馬同士の敗者復活戦といえそうな対決だった。

 実際、ジャンタルマンタルが皐月賞(G1)で3着、アスコリピチェーノが桜花賞(G1)で2着に敗戦。血統面や距離適性でマイルがベストといわれるだけに、距離が芝2400mへ延びる日本ダービー(G1)やオークス(G1)に歩を進めなかった理由としては、十分に納得のいくレース選択だったことは間違いない。

 その一方、当時クラシックの出走権を持たなかった外国産馬を救済する意味で「マル外ダービー」として創設された過去はもはや面影すら残していない。何しろ生涯のG1勝ちがNHKマイルCのみの馬も珍しくなく、古馬になって安田記念やマイルCSといったマイルG1を優勝したのもミッキーアイル1頭しかいないのだ。

「海外G1とのマネーゲームで存在意義が怪しくなったフェブラリーS(G1)もそうですが、NHKマイルCも当初の役割を終えた感が強くなってきましたね。そろそろ開催時期や距離の変更なども考える時期かもしれません。

日本競馬のレベルが上がった現在は、かつてのマルゼンスキーやエルコンドルパサー、グラスワンダーにクロフネのような超大物も出なくなりました。NHKマイルCが春の最大目標という馬も珍しいでしょうし、来年以降も“グレード1.5”のような扱いが濃厚ですね」(競馬記者)

 5年前のアドマイヤマーズが香港マイル(G1)を優勝する“嬉しい誤算”もあったにせよ、この馬もジャンタルマンタルと同じく皐月賞で敗れた馬だった。

 そういう意味では、歴代最強馬候補の1頭として名前の挙がるエルコンドルパサーやダービーを優勝したキングカメハメハやディープスカイと比較した場合、もう16年もクラシックで通用しなかった馬たちの争いが続いていることになる。今年こそ例年以上のハイレベルな戦いが実現したものの、現状のままでは根本的な立ち位置に劇的な変化は表れないのではないか。

GJ 編集部

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