
【徹底考察】日本ダービー(G1) ヴァンキッシュラン「歴代2位の好タイムだった青葉賞馬は『ジンクス』を打ち破れるか」

『考察』
日本ダービー(G1)への優先出走権が懸かった青葉賞(G2)を「2:24.2」という歴代2位の優秀な時計で完勝したヴァンキッシュラン。今年こそは「青葉賞馬はダービーを勝てない」というジンクスを打破できるか注目だ。
過去に青葉賞から日本ダービーに出走して、惜しくも「2着」に敗れた馬は下記6頭。いずれも青葉賞を勝って本番に挑んだ層々たるメンバーだが、世代の頂点にはあと一歩届いていない。
2012年 2:25.7 フェノーメノ 上がり3ハロン34.1秒 「1位」
2011年 2:28.8 ウインバリアシオン 上がり3ハロン33.6秒 「1位」
2006年 2:25.3 アドマイヤメイン 上がり3ハロン35.3秒 「2位」
2003年 2:26.3 ゼンノロブロイ 上がり3ハロン34.1秒 「2位」
2002年 2:26.4 シンボリクリスエス 上がり3ハロン34.1秒 「1位」
1994年 2:28.8 エアダブリン 上がり3ハロン35.4秒 「3位」
参考
2016年 2:24.2 ヴァンキッシュラン 上がり3ハロン34.5秒 「2位」
ただし、上記の6頭に「この条件を満たせば本番でも通用する」といった共通項はない。タイム、脚質、枠順、展開、馬場、戦績などすべてバラバラであり、強いて共通項を挙げれば、上記に示したように上がり3ハロンのタイムがメンバー3位以内ということになる。
これは逃げたアドマイヤメインでさえ記録していることであり、一つの目安にはなるかもしれない。ただ、具体的な条件とはとても呼べないものだ。
また、これまで青葉賞を2分24秒台で制した馬は今年のヴァンキッシュランを除けば、ペルーサとハイアーゲームの2頭が該当するが、こちらはダービーでの明暗が分かれている。
2010年 2:24.3 ペルーサ 日本ダービー結果 2番人気「6着」
2004年 2:24.1(レコード)ハイアーゲーム 日本ダービー結果 3番人気「3着」
ダービーとまったく同じ舞台でこれだけのパフォーマンスを出している以上、ペルーサもハイアーゲームも同世代では上位の存在であり、特に青葉賞のようなレコードが出るほどの速く厳しい展開になってこそ、より持ち味が活きた馬と言えるのかもしれない。
その上で、下記が2頭の日本ダービーの内容だ。
2010年 2:26.9 1000m通過「61.6秒」勝ち馬エイシンフラッシュ
2004年 2:23.3(レコード) 1000m通過「57.6秒」勝ち馬キングカメハメハ
ペルーサとハイアーゲームは共に、青葉賞を速く厳しい展開で勝ち切った馬。
だが、続く日本ダービーで、ペルーサは「青葉賞よりも数段遅い時計」で瞬発力勝負を強いられて6着に沈み、逆にハイアーゲームは「青葉賞よりも数段速い時計」で持続力勝負を挑んで3着に健闘している。
これは同じく青葉賞を2分24秒台という厳しい流れで勝ち切ったヴァンキッシュランにとっても重要な要素であり、やはり浮沈のカギを握っているのは日本ダービーのペースや展開となりそうだということを示している。
PICK UP
Ranking
17:30更新横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 「正直なところ辟易としています」武豊が巻き込まれた29年前のアイドルホース狂騒曲…レース前に明かしていた「コンビ結成」の裏話
- 【NHKマイルC(G1)予想】ジャンタルマンタルは皐月賞の反動があるとみて消し! 出走唯一の連勝馬に着目
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 横山典弘「27年ぶり」ドバイ決戦へ。「自分の命と引き換えに僕を守ってくれた」盟友ホクトベガの死で止まった時間…今度こそ無事完走を