
【徹底考察】日本ダービー(G1) エアスピネル「皐月賞は『理由なき敗戦』ではない。だからこそ勝機がある」

『考察』
単勝1.5倍で迎えた昨年の朝日杯FS(G1)で、まさかのリオンディーズの強襲に遭って以来、エアスピネルを「世代No.1」と呼ぶ声は極端に減った。
デイリー杯2歳S(G2)を「1着」で重賞初制覇を飾った後、朝日杯FSでは「2着」、弥生賞(G2)では「3着」、そして皐月賞(G1)では「4着」とくれば、今回の日本ダービー(G1)での着順は、”お約束”なら誰でも想像がつく。
それも「マイラーとしての素質の高さ」「ライバルに見劣る末脚のキレ」「道中の立ち回りの上手さ」といったエアスピネルの特徴を考慮する限り、3歳クラシックを戦う上で最大のチャンスは中山2000mの皐月賞だったという見解もあるほどだ。
はっきり言って、現状のエアスピネルに吹いている”逆風”は決して優しいものではない。
ただ、当然ながらエアスピネルが世代の頂点に立つ可能性はまだ残っているし、何よりも前走の皐月賞の内容を見れば、この馬のポテンシャルは決してトップクラスに引けを取らないことがわかる。
1000mの通過「58.4秒」は皐月賞歴代2位、1200mの通過「69.9秒」は歴代1位という「激流」だった皐月賞で、エアスピネルは先行勢の一番後方となる6番手からレースを進めている。
抜群のスタートからすんなり好位を奪い、前5頭を壁にして折り合いをつける完璧な前半。向かい風の強い向こう正面でも、いつでも外に出られる位置をキープしながらF1でいうスリップストリームを続け、ほぼノーダメージで乗り切っている。
そのまま最終コーナーに突入し、4コーナーを回って直線に入る頃に満を持して先頭を行くライバル・リオンディーズを競り落としにかかる。
ハイペースの中で早めに動く厳しい競馬だが、下手に脚を溜めても末脚勝負ではマカヒキに敵わないことは前走の弥生賞で経験しているだけに、この判断も完璧だ。
だが、結果はバテたリオンディーズから不利を受けたとはいえ、ディーマジェスティ、マカヒキ、サトノダイヤモンドに交わされ、リオンディーズを交わし切れなかった繰り上がりの4着。
この馬を応援するファン、そして何よりも武豊騎手自身が”悲観的”になるのは、毎回のレースの内容が「文句の付けようがないほど完璧に近いもの」だからだ。本当に競馬の上手な馬で「テンよし、中よし、終いよし」とは、まさにエアスピネルのような馬のことを差すのだろう。
しかし、それだけに敗戦のショックは大きい。
ただ、本当に完敗の内容だった弥生賞と異なることは、エアスピネルが先行馬にとっては厳しい、あれだけのハイペースの中を積極的に動いて4着に粘れたことだ。
後ろの馬にとって有利な流れであったことは間違いなく、そう考えれば不利を受けたリオンディーズを除けば、エアスピネルが先着を許した3頭は、すべて本馬よりも後ろで競馬していた馬だ。
言い換えれば、皐月賞には明確な”敗因”が存在しているといことは、それを取り除くことで前進が見込めるということだ。
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