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リオンディーズのダービー逆転はもうないのか?惨敗の皐月賞から「致命的な問題」を抱える2歳王者の「真実」を解き明かす

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riondhi-zuxs.jpgリオンディーズ(競馬つらつらより)

 クラシック第一弾の皐月賞(G1)は、リオンディーズM.デムーロ騎手にとって、まさに悪夢のレースとなってしまった。

 生涯初の完敗、それも最後は一杯になってエアスピネルやサトノダイヤモンドに不利を与えてしまい、結果デムーロ騎手は騎乗停止の憂き目に……。この敗戦によって、リオンディーズの評価は現在、大きな下降線を辿ってしまっていることに間違いはない。

 しかし、評価と着順が必ずしも、そのまま直結するわけではないのが競馬だ。

 リオンディーズの巻き返しが期待されることは当然として、その前に前走の皐月賞でリオンディーズに「何」があったのか。それを正確に把握しておかなければ、我々は日本ダービー(G1)で痛い目をみることになるかもしれない。

 マスコミや競馬ファンは、リオンディーズの皐月賞の敗因が「暴走」であると断じている。
そして、その暴走の原因として、よく話題に上げられているのが下記の4点だ。

1.母シーザリオ、そして兄エピファネイアも高い能力と共に、激しい気性を持っており、そういった面をこの馬も受け継いでいる。
2.2戦目に朝日杯FS(G1)というマイルのレースを使ってしまった結果、前向きな気性が目覚めてしまい、折り合いがつかなくなった。
3.実際に弥生賞(G2)では道中で掛かる素振りを見せた結果、生涯初の敗戦を喫した。
4.皐月賞で1000mを「58.4秒」というハイペースで通過したにもかかわらず、そこから折り合いを欠いて先頭に立ってしまった。

 確かにどれも一理ある見解だが、これらの複合的な結果によって、皐月賞でリオンディーズが暴走したという見解は厳密には正しくないように思う。

 まず、この馬にある程度の気性的な問題があるのは確かだ。だが、それは「レースを重ねるたびに改善」されている。レースを見れば明らかだが、リオンディーズが最も折り合いを欠いていたのは、デビューとなった新馬戦である。はっきり言って「これでよく勝つな」というくらい道中は掛かり通しだった。

 そして、2戦目の朝日杯FSに関してだが、使ったことによる折り合いへの影響は「ほぼ関係ない」のではないか。

 一般的に短い距離を使って気性が前向きになるのは、速い道中のペースを追走するために、スタートや道中で脚を使うことを強いられるからだ。その結果、馬が勝負所以外でも加速することを覚え、道中の折り合いが難しくなるというのが、短い距離を使って気性が前向きになる要因である。

 しかし、その点でリオンディーズは朝日杯FSで、スタートや道中でほぼ脚を使っていない。

 その結果、リオンディーズは最後方からの競馬となったが、これは逆に言えば下手に脚を使わなかった証でもある。ちなみにこのレースの1000mの通過は「60秒」だが、これは弥生賞や皐月賞よりも遅い。勝負所まで最後方だったリオンディーズが、追走に脚を使う必要はほぼなかったといえる。

 従って、朝日杯FSの経験がリオンディーズの気性に悪い影響を与えている可能性はかなり薄い。

 以上を踏まえた上で、リオンディーズに皐月賞で「何」があったのかを述べたい。

 まず、道中の位置取りに関してだが、前提条件としてこの日の中山は前に行った馬が有利な結果が続いており、実際にデムーロ騎手も「それまでのレースを見ていて、後ろからでは前を捉えきれないと思ったので、前目で運びました」とレース後に話している。

 つまり、もともとデムーロ騎手には好位で競馬する意志があったということだ。

 しかし、それが逃げ馬の直後の2番手となった原因は2つある。まず、もともとスタートがあまり上手くないリオンディーズだが、皐月賞では予想外に良いスタートを切ってしまったこと。そして、前に馬を置き辛い大外枠からのスタートだったことだ。

 その2つが重なった2番手であり、気性的に行きたがってあの位置取りになったわけではない。

 しかし、それでも実際に弥生賞で行きたがる素振りを見せたことは事実であり、デムーロ騎手もそれを防ぐために、何としても前に馬を置きたかったはずだ。そうなれば逃げたリスペクトアースの直後につけるしか選択肢はないわけだが、これが後々大きな仇となる。

 リスペクトアースが作った流れは1000mの通過が「58.4秒」というハイペース。確かに前にいる馬にとって非常に厳しい流れだ。しかし、これがリオンディーズにとって致命傷になったわけではない。

 何故なら、兄のエピファネイアが2着した皐月賞の1000mの通過は「58.0秒」とさらに速いペースであり、そして何よりも、仮にこれが致命傷ならばリオンディーズは5着(4着降着)に踏ん張ることすらできなかったはずだからだ。

 その上でリオンディーズが「暴走」した、いや、暴走を強いられた「最大の原因」は、この地点で起こっている。

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