
リオンディーズのダービー逆転はもうないのか?惨敗の皐月賞から「致命的な問題」を抱える2歳王者の「真実」を解き明かす
当然だが、このハイペースの中、ラスト1000mを残して加速するメリットは何もない。そうなると行きたくなかったが「暴走」してしまったと考えるしかないのだ。その証拠に次の400m間のラップは、このレースで最も遅い「12.4 – 12.2」。掛かってしまった不利を、僅かでも取り戻そうとするデムーロ騎手の苦心が窺える400mだ。
だが、これ以上の”挽回”は強力なライバルがひしめく後続が許さなかった。マウントロブソンが早々に並び掛け、エアスピネルもその直後に迫っている。
再び加速を余儀なくされたリオンディーズは、その後残り400mから「11.6秒」のラップを刻んで抵抗する。
だが、ラスト200mを切ったとき、ついに限界が訪れた――。
その後のことは前半部分でも触れたように、リオンディーズとデムーロ騎手にとっては、他馬に不利を与えてしまう悪夢のような結果になった。
しかし、これで皐月賞のリオンディーズが「ただ気性が原因というだけで、暴走したわけではない」ことは理解いただけたのではないだろうか。
確かに気性に問題のある現時点のリオンディーズにとって、距離が延長されるのは決して好ましいことではないだろう。ただ、リオンディーズが抱えている問題は、世間で言われているほど大きなものではないはずだ。
逆に考えれば、あれだけ不利な条件やアクシデントが揃ったレースで大きく崩れなかったリオンディーズのポテンシャルは、やはりこの3歳世代でもトップクラスにあることは疑いようのない事実だろう。
ならば、今回こそ真ん中よりも内枠で控えめのスタートを切って、しっかりと前に馬が置ければ、朝日杯FSで見せた豪脚……いや、その時点よりも、さらに進化した「本物のリオンディーズの力」が見られるかもしれない。
いずれにせよ、リオンディーズの本当の強さはデムーロ騎手が最も理解しているだろうし、敗因がわかっている以上、リオンディーズに対する自信もまったく失っていないはずだ。
最後に2歳王者を見限ってしまうのは「早計」だと述べさせていただく。
リオンディーズの世代の頂点への戦いは、まだ何も終わってはいないのだから。
(監修=下田照雄(栗東担当))
PICK UP
Ranking
17:30更新東京競馬場に約20万人が殺到!? 朝6時からの大行列、怒号飛び交う陣取り合戦、そして…競馬が最も熱い時代、歴代最多入場者を記録した当時の記憶
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- JRA歴代1位「19万人」の歓声響いたアイネスフウジン! 今年は7万人が入場可能の日本ダービー(G1)、ウマ娘実装であの感動をもう一度
- 日本ダービー「30年ぶり」落馬の坂井瑠星に吉兆サイン!? ドゥラエレーデは宝塚記念(G1)を視野…ダービージョッキー予感させる偉大な先輩の足跡
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- JRA北村友一、横山一家と「全面戦争」勃発か…浦島状態がもたらした「立ち位置」の変化と大き過ぎた代償