
【夏季特別企画】史上最強世代・最後の一冠『菊花賞の行方を占う』Vol.9「これで皐月賞10着馬……札幌2600mでまたも5馬身差の圧勝劇!ますます混沌を極める『淀』への道」
圧巻の競馬だった。これで皐月賞(G1)10着馬である。一体、『史上最強世代』とは、どこまでハイレベルなのか……まったく底が見えない。
そして、だからこそ来たる菊花賞(G1)はますます混沌の深みに嵌まろうとしている。
20日、札幌で行なわれた札幌日刊スポーツ杯(1000万下、芝2600m)。未だ小雨が降り続け、「重」発表の札幌芝コースで皐月賞10着馬のウムブルフが躍動した。
水分を多分に含んでぬかるんだ洋芝でこそ、ウムブルフの母方に流れるドイツ血統が本領を発揮。タフなコンディションに輪を掛けるようなタフな流れで、最後は出走各馬がバタバタになる中を一頭だけ次元の違う手応えで突き抜けた。5馬身差の圧勝劇である。
「スタートが決まり、すぐに折り合いがつきました。流れもちょうど良く、いい差し脚を見せてくれました。距離はもっと延びても大丈夫でしょう」
手綱をとったJ.モレイラ騎手がそう語るように、3コーナー過ぎから圧巻の手応えでまくり一閃、直線に入る頃には後続に3馬身以上のリードを築く内容はまさに完璧だった。そして、何よりも香港No.1騎手の「距離はもっと延びても大丈夫でしょう」という一言が、ウムブルフが今後”辿るべき道”のすべてを物語っている。
札幌2600mの圧勝劇といえば、本企画「伝説の出世レース『阿寒湖特別』を5馬身差で圧勝!北の大地で目覚めたステイヤーの血(リンク)」でも取り上げた先月30日の阿寒湖特別を、今回と同じく5馬身差で圧勝したカフジプリンスがいる。
現時点でも菊花賞へ向けて強力なライバル関係となった2頭。時計面では2:39.3でゴールしたカフジプリンスが、ウムブルフの2:43.2を大きくリードしているが、良馬場と重馬場ではまったく参考にならない。
実際に、札幌日刊スポーツ杯に出走した13頭の内、5頭が「前走阿寒湖特別組」だったが、その着順が完全に逆転しているように、札幌日刊スポーツ杯と阿寒湖特別は同じ札幌2600mでも「問われた資質」が大きく異なったレースと判断した方が良さそうだ。
PICK UP
Ranking
17:30更新横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 「正直なところ辟易としています」武豊が巻き込まれた29年前のアイドルホース狂騒曲…レース前に明かしていた「コンビ結成」の裏話
- 【NHKマイルC(G1)予想】ジャンタルマンタルは皐月賞の反動があるとみて消し! 出走唯一の連勝馬に着目
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 横山典弘「27年ぶり」ドバイ決戦へ。「自分の命と引き換えに僕を守ってくれた」盟友ホクトベガの死で止まった時間…今度こそ無事完走を
関連記事
【夏季特別企画】史上最強世代・最後の一冠『菊花賞の行方を占う』Vol.8「初の古馬相手に圧巻のノーステッキ!急成長するナムラシングンが打倒『BIG5』へ駆け上がる」
最後の一冠『菊花賞の行方を占う』特別編「ついに出揃った『5強』の秋ローテ!エアスピネルは武豊騎手と共に菊花賞へ」
【夏季特別企画】史上最強世代・最後の一冠『菊花賞の行方を占う』Vol.7「伝説の出世レース『阿寒湖特別』を5馬身差で圧勝!北の大地で目覚めたステイヤーの血」
【夏季特別企画】史上最強世代・最後の一冠『菊花賞の行方を占う』Vol.6「武豊に『フランスへ行きましょう!』と言わせた超良血馬が帰還!名牝エアグルーヴの末裔はラスト一冠に間に合うのか」
【夏季特別企画】史上最強世代・最後の一冠『菊花賞の行方を占う』Vol.5「名門トウショウ牧場『最後の大物』トウショウビクターが『狂気の血』を継承」