凱旋門賞(G1)エネイブル3連覇へ「唯一」の懸念? 4年前の絶対女王トレヴは何故敗れたのか「当時」を振り返る
6日にパリロンシャン競馬場で行われる凱旋門賞(G1)。今年は、日本からブラストワンピース、フィエールマン、キセキの3頭が出走。武豊騎手が地元のソフトライトで参戦するなど、大きな盛り上がりを見せている。
だが、多くのファンにとって今年の一番の関心は、やはり絶対女王エネイブル(牝5歳、英・J.ゴスデン厩舎)による史上初の凱旋門賞3連覇なるかだろう。
一昨年の5月から、ここまで12連勝中。凱旋門賞連覇に加え、英・愛オークス、キングジョージ6世&QESなど紛れもない史上最強クラスの存在だ。
数多くの名馬を手掛ける世界的名伯楽のゴスデン調教師をして「特別な存在」と言わしめるエネイブル。戦前にはライバル馬の関係者が「彼女に勝つのは厳しい」と口を揃え、大手ブックメーカーのウィリアムヒル社が単勝1.73倍とするなど、今年も圧倒的な大本命だ。
しかし、97回の歴史を重ねながら、未だ3連覇する馬がいないこともまた事実。重箱の隅を突くようなことかもしれないが、エネイブルの3連覇挑戦を占う上で避けて通れないのは、2015年に凱旋門賞3連覇に挑んだトレヴの存在だろう。
2013年に日本の三冠馬オルフェーヴルを5馬身ちぎり、衝撃的な凱旋門賞1勝目を飾ったトレヴ。このシーンを記憶しているファンも多いだろうが、3連覇が懸かった2015年の凱旋門賞当時、まだ日本で海外馬券が発売されておらず、日本馬も6年ぶりに不参戦だったため、実はあまり注目されたレースではなかった。
3連敗から劇的な復活劇で連覇を飾ったことに対して、この年のトレヴは3戦3勝と絶好調だった。特に前走のヴェルメイユ賞(G1)では、2着馬を6馬身ちぎり捨てる圧勝劇。ウィリアムヒル社は当然のごとく単勝1倍台に設定し、主催者であるフランスギャロップがトレヴ専用のCMを作成するなど、誰もが彼女の3連覇を疑っていなかった。そう、今年のように――。
しかし、この年のロンシャン競馬場は前が止まらない馬場だった。最後の直線で早々に先頭に立った英ダービー馬ゴールデンホーンがそのまま押し切り、2着には昨年2着に負かしたフリントシャー、トレヴはゴール前で仏ダービー馬ニューベイに競り負けて4着に敗れるという、まさかの結果だった。
「鞍上L.デットーリ騎手が、本当に上手く乗りましたし『僕がこれまで乗ってきた馬の中でも、たぶんベストホース』と話した通り、ゴールデンホーンのパフォーマンスが素晴らしかったという面はあります。
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