JRA無観客競馬「不運すぎる」浜中俊3か月ぶり復帰も「ファン0人」!?
27日JRAは新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、29日(土)以降の開催について当面の間、無観客競馬で実施すると発表した。
競馬はファンと馬・騎手との「距離感が近い」のも魅力の一つである。競馬場に足を運ぶと、馬の足音、鞭の音が直に聞こえ、レースの臨場感を肌で感じることができる。またウイナーズサークルは騎手と観客の距離が近く、絶好のファンサービスの場だ。そして競馬場を訪れたファンからの声援も、騎手の力になっているのではないだろうか。
それが無観客競馬となると、競馬の魅力の一つが失われてしまう。しかし、現在の国内の状況を考えると感染拡大防止のためとなれば、当然の対応だろう。
その無観客競馬の開始と同じくして、29日の阪神開催で浜中俊騎手が復帰する。
浜中騎手は昨年11月の京阪杯(G3)で落馬負傷し、戦線離脱。19日から栗東トレーニングセンターで調教に跨り、「馬に乗ることは楽しい」と笑顔を見せ、3か月ぶりの復帰を楽しみにしていた。
浜中騎手は昨年の日本ダービー(G1)を12番人気ロジャーバローズで優勝。悲願のダービージョッキーの仲間入りを果たし、人馬ともに今後のさらなる飛躍が期待される存在となった。その後、同馬の凱旋門賞(G1)挑戦が発表され、秋のロンシャンに向けて調整が行われるも、8月に右前浅屈腱炎を発症。惜しくもダービー馬は引退となってしまった。
喜びもつかの間、悲しい別れとなり、浜中騎手は「運がいいのか悪いのか」、複雑な心境だろう。その後、京阪杯での落馬事故と、昨年はまさに激動の1年だ。
今回の復帰は、本来であれば競馬場に詰めかけた多くのファンから「おかえり」と温かく出迎えられるはずだった。しかし、無観客では……。
まさか復帰戦が無観客になるとは思わなかっただろう。浜中騎手にとってファンの歓声を浴びられないのは「不運」だ。本人には全く非がないだけに、ツイてないとしか言いようがない。
しかし、今週末の阪急杯(G3)は、復帰していきなり、存在感をアピールするチャンスとなる。現在2連勝中のベストアクターの騎乗が決まっているからだ。過去にはリーディング獲得、そして昨年ダービージョッキーとなった浜中騎手の手腕に注目が集まる。
無観客競馬だが、復帰を待ちわびたファンはテレビの前で、温かい声援を送っているはず。今年はスタートこそツイてないが、浜中騎手が「不運」を吹き飛ばし活躍することに期待したい。
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