JRA「伝説」ナリタブライアンVSマヤノトップガンのマッチレース! 長距離名手の武豊が3冠馬の意地を引き出した96年阪神大賞典(G2)
22日(日)に阪神競馬場にて天皇賞・春(G1)に向けた重要な一戦となる、阪神大賞典(G2)が開催される。
数少ない3000mという長距離重賞であり、同じく長距離戦となる天皇賞・春の行方を左右するレースとして、ここをステップに多くの名馬が天皇賞のタイトルを戴冠してきた。
1987年から開催時期や距離が今の形になり、天皇賞・春の前哨戦として位置づけられてきたが、これ以降数多の名勝負が繰り広げられ、後々まで語り草になるレースもある。
今回は1996年の阪神大賞典について触れていきたい。
勝ち馬は3冠馬ナリタブライアン。2着は菊花賞(G1)、有馬記念(G1)などG1を4勝しているマヤノトップガンだった。
ナリタブライアンは94年にクラシック3冠を圧倒的な強さで制し、その年の有馬記念も女傑ヒシアマゾンをねじ伏せて圧勝。年度代表馬の座を勝ち取った。翌年、天皇賞・春に向けて、ステップレースとして阪神大賞典を選択。単勝オッズ1.0倍の圧倒的1番人気に応え、7馬身差の圧勝を飾る。
しかし、その後股関節炎を発症。天皇賞・春への出走は叶わず、休養に入った。この股関節炎は尾を引き、強い調整ができないまま天皇賞・秋への出走が決まる。主戦騎手だった南井克巳騎手が落馬負傷していたため、的場均騎手に乗り替わる。ここでも1番人気に推されるが、いいところなく12着に沈む。その後、武豊騎手に乗り替わり、ジャパンC(G1)、有馬記念と連戦するが、6着、4着と凡走する。
一方、マヤノトップガンはナリタブライアンの1年後の世代となる。夏までは一介の条件馬だったが、神戸新聞杯(G2)、京都新聞杯(当時は菊花賞トライアルだった・G2)を2着して、菊花賞に臨む。菊花賞では3番人気だったが、先行策を採って4角から先頭に立ち、そのまま押し切って1冠を手にする。続く有馬記念は6番人気と低評価だったが、まんまと逃げ切り勝ちを収め、年度代表馬に選ばれた。
明け5歳(現4歳)の現役最強馬マヤノトップガンと、明け6歳(現5歳)の復権を賭けた3冠馬ナリタブライアンが激突したのが96年の阪神大賞典だった。
単勝1番人気は田原成貴騎乗のマヤノトップガン。ナリタブライアンは引き続き武豊騎乗で2番人気だったが、0.1倍しか違わず、ファンも実質的にこの2頭のマッチレースと見ていた。
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