巨人優勝の名場面“代打の代打”で「逆転満塁ホームラン」再現!? JRA平安S(G3)は絶好調ベテラン騎手が3年前の悔しさを晴らす!
2007年5月31日、東京ドームではセパ交流戦「ソフトバンクVS巨人」が行われていた。
ソフトバンクが3回表に多村仁志選手の2ランホームラン、さらに4回表に田上秀則選手のソロホームランで、3点リードのまま試合は進んだ。7回裏、巨人はラッキーセブンの攻撃で、1アウト満塁の逆転のチャンスを迎える。
この重要な場面で代打に送り込まれたのは左の切り札・清水隆行選手だった。しかし、ソフトバンクが右の佐藤誠投手から左の篠原貴行投手にリリーフ。これに対して巨人は“代打の代打”で右の矢野謙次選手を起用した。
初球のスライダーを見送り、カウント1ボールとしてからの2球目。直球を振り抜いた矢野選手の打球はレフトスタンドに飛び込んでいった。極めて珍しい代打の代打による「逆転満塁ホームラン」だ。これは巨人史上初の快挙である。
結局、試合は「巨人7-3ソフトバンク」の結果で終わり、2007年のペナントレースは巨人が優勝した一方で、ソフトバンクは3位に終わった。今となってみれば、この試合が重要なターニングポイントの1つであったという見方もできるかもしれない。
話は替わって、今週末の中央競馬でも代打の代打による“逆転満塁ホームラン”を目指している騎手がいる。
23日に京都競馬場で平安S(G3)が開催される。そこに出走するスワーヴアラミス(牡5歳、栗東・須貝尚介厩舎)の鞍上が、なんと“代打の代打”なのだ。
スワーヴアラミスの主戦を務める藤岡康太騎手は、今週末のオークス(G1)でウーマンズハートに騎乗を予定している。通常であれば平安Sにも騎乗できるのだが、新型コロナウイルスの感染防止対策で騎手の移動制限がかけられているため、京都での騎乗ができなくなってしまった。
そこで、代打に期待の若手・西村淳也騎手が抜擢された。同騎手にとって、スワーヴアラミスという有力馬に騎乗できるのは、初の重賞制覇も視野に入る絶好の機会だ。だが、10日の京都5Rで斜行したため、23日から31日まで開催4日間の騎乗停止処分を受けて騎乗が叶わなくなってしまった。
そんな西村騎手に代わって、つまり、“代打の代打”で騎乗することになったのが松田大作騎手だ。
デビュー24年目のベテラン騎手で、今年は11勝を挙げて勝率.086の成績。昨年が18勝、一昨年が12勝だったことを考えれば、今年の調子のよさが窺えるだろう。また勝率はキャリアハイの47勝を挙げた2013年の勝率.077を上回っているのだ。
今年の好調から平安Sの騎乗にも期待がかかる松田騎手だが、“代打”には苦い思い出がある。
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