
JRA 8年前の「大誤算」福永祐一ロードカナロア「痛恨」のドン詰まりで無念の降板! 函館スプリントS(G3)武豊ダイアトニックは父の雪辱を果たせるか!?

21日、函館競馬場では夏競馬を彩るサマースプリントシリーズの第1戦目、函館スプリントS(G3)が行われる。秋のスプリンターズS(G1)を見据え、高松宮記念(G1)を好走した馬や、昨年の京阪杯(G3)を制したライトオンキューなど、好メンバーが揃った。
なかでも最大の注目を集めそうなのは、前走まで手綱を取った北村友一騎手から今回、武豊騎手に乗り替わるダイアトニック(牡5、栗東・安田隆行厩舎)だ。春の高松宮記念では直線でクリノガウディーが内側に斜行した被害に遭い、惜しくも4位入線→3着と敗れたが、不利さえなければ勝っていた可能性も十分に考えられるレース内容だった。
陣営としても仕切り直しとなる函館の地で、是が非でも勝利を手にしておきたいところだろう。鞍上に競馬界の第一人者である武豊騎手を迎えたことも勝負度合いの高さが伝わってくる。
また、函館スプリントSはダイアトニックにとっても、ロードカナロアが敗れた因縁のレースでもある。世界的スプリンターだった父が、1番人気で3着に敗れた高松宮記念の汚名を晴らすべく出走したのが函館スプリントSだった。出走メンバーで前走G1から臨んだ馬はただ1頭ということもあり、単勝オッズ1.3倍という圧倒的1番人気に支持された。
だが、確勝を期して挑んだこのレースで、ロードカナロアにとっては致命的なアクシデントが発生したのだ。このとき手綱を取っていたのは福永祐一騎手。前に行った馬が飛ばす展開の中、1枠1番の最内枠だったロードカナロアを福永騎手は最短距離を通れるインぴったりで追走した。
直線入り口であとはバテた馬を交わすだけとなるはずだったが、外から追い上げた馬のプレッシャーもあったため、前の馬が内へ寄る格好となり、抜け出すスペースがなくなってしまった。
突然目の前に現れた壁……ロードカナロアがもがく状況を尻目に、先に抜け出したのは松山弘平騎手の2番人気ドリームバレンチノ。断然人気馬がようやく進路を確保したときには、すでにゴールを駆け抜けていた。
大本命馬のまさかのとりこぼしに、陣営は鞍上交替を決断。次走からコンビを組んだ岩田康誠騎手とともに、ロードカナロアは世界的名スプリンターへと駆け上がっていった。
昨年は父を同じくするダノンスマッシュが函館スプリントSに出走となり、父の雪辱を期待されたものの、またしても想定外のアクシデントに見舞われた。
禁止薬物である「テオブロミン」が、競走馬向けのサプリメントの一部に含まれていたことが明らかとなり、サプリメントを購入した厩舎に所属する156頭が競走除外となったのである。
不運にもダノンスマッシュは当該馬の1頭であったため、出走とはならなかった。
今年も安田隆行厩舎はダノンスマッシュに続き、ダイアトニックを送り込んできた。今度こそ、ロードカナロア産駒として、2着に敗れた父の雪辱を果たすことができるだろうか。
PICK UP
Ranking
17:30更新横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 「正直なところ辟易としています」武豊が巻き込まれた29年前のアイドルホース狂騒曲…レース前に明かしていた「コンビ結成」の裏話
- 【NHKマイルC(G1)予想】ジャンタルマンタルは皐月賞の反動があるとみて消し! 出走唯一の連勝馬に着目
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 横山典弘「27年ぶり」ドバイ決戦へ。「自分の命と引き換えに僕を守ってくれた」盟友ホクトベガの死で止まった時間…今度こそ無事完走を