JRAアーモンドアイ、サートゥルナーリアの凱旋門賞(G1)見送りは正解だった!? 宝塚記念(G1)クロノジェネシス圧勝で垣間見えた「嫌われ者」の存在価値

「凱旋門賞制覇」は競馬関係者にとって長らく悲願とされてきた。これまで多くの日本馬が挑戦し続けて来た欧州の大レースだが、1999年エルコンドルパサー、2010年ナカヤマフェスタ、12年と13年のオルフェーヴルと、2着まで好走することはあっても、優勝を成し遂げた馬はいまだに出ていない。
昨年はキセキ、ブラストワンピース、フィエールマンと、過去最多タイとなる3頭を送り込んだものの、キセキの7着が精一杯で残りの2頭は大敗を喫した。立ちはだかる壁の高さを思い知らされる結果となった。
かといって日本馬のレベルが低いのかといわれるとそうでもない。「世界に通用する強い馬づくり」を目的に創設されたジャパンC(G1)は2005年のアルカセットを最後に外国馬の優勝はなく、日本馬が連勝中である。能力だけであれば、既に勝てるだけの領域に達しているといえるだろう。
やはり、大きく異なるのは「タフな馬場」で開催されることが多い欧州の競馬に比べ、世界でも有数の高速馬場で開催される日本の競馬との違いにある。ある意味ガラパゴス化しつつあるともいえそうな「軽くて時計の出やすい」ことが特徴とされる馬場だ。これは外国馬のジャパンC出走が減った大きな原因といわれている。そもそも互いに性格の異なる馬場を走っているのだから、外国馬のジャパンCでの不振も納得がいくならその逆もまた然りである。
今年の宝塚記念を4着に敗れたサートゥルナーリア、安田記念を2着に敗れたアーモンドアイはいずれも過去に凱旋門賞挑戦のプランもあったが、最終的には回避している。2頭に共通しているのは、勝利したレースの鮮やかさと同居する脆さである。レコードが出るような高速馬場を得意とする一方で、スタミナを要する重い馬場や厳しい展開では思わぬ凡走をすることがある。
勿論、2頭の父が世界的なスプリンターだったロードカナロアということも、スピードに長ける一方でスタミナに不安があることは確かなのかもしれない。そして、馬場が渋った安田記念や宝塚記念で好走出来なかった理由としても大きくクローズアップされるものではないだろうか。
思い浮かぶのは、アーモンドアイの凱旋門賞回避の際に、所属するシルク・ホースクラブが会員向けのHPで記載されていた内容だ。文中では「コース・距離・斤量、そして初めての環境と全てがタフな条件となること」や、レース後のケアなどを考慮した結果、「ベストのレース選択ではない」と判断した経緯について説明がされていた。奇しくもこれはサートゥルナーリアにも重なる部分があると感じる内容だ。
PICK UP
Ranking
17:30更新
春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
JRA武豊は何故AJCC(G2)でスペシャルウィークに騎乗しなかったのか。明かされた当時の「事情」と、幻の天皇賞馬“ナリタサンデー”とは
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛- アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 四位洋文騎手が「トラウマ」嘆く……武豊騎手も不快感を露にした昨年「マイルCS」ディサイファの悲劇
- 【香港C(G1)展望】BC制覇の偉業から1か月、ラヴズオンリーユー有終の美へ!レイパパレはC.スミヨンと新コンビ、最大のライバルは最高レーティングの英国馬
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 【徹底考察】有馬記念(G1) サトノダイヤモンド「世代最強を証明した菊花賞。有馬記念制覇に向け、レジェンドだけに許された最強馬の『領域』に手を掛ける」
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
















