
JRA馬主「元メジャーリーガー」が“大魔神”超えを狙う!? ロッテ現役コーチの愛馬は秋華賞(G1)が大目標!
先週土曜日(7月25日)の新潟12レース(1勝クラス、芝1600m)を豪快に差し切ったツルネ(牝3歳、美浦・高橋文雅厩舎)という3歳牝馬をご存じだろうか。
今年1月にデビューを果たし、成績は5戦2勝2着2回。まだ2勝目を挙げたばかりで、血統も決して派手ではない。特別競走の出走経験もなく、普通なら無名に近い存在のはずだが、デビュー時から“そこそこ”話題に上っている。
その理由は、オーナーがメジャーリーグでも活躍した元プロ野球選手の吉井理人氏だからだ。吉井氏は、1980年代から24シーズンにわたってプロ野球とメジャーリーグで投手として活躍。現在は千葉ロッテ・マリーンズで投手コーチを務めている。
吉井氏は野球解説者時代の2013年にJRAの馬主資格を取得。ツルネは4頭目の所有馬である。吉井氏にとってJRAでの初勝利は2019年、3頭目の所有馬でツルネの半兄にあたるマゼという現役の4歳牡馬だった。ツルネは吉井氏にとって初めての2勝馬ということになる。
元プロ野球選手で馬主といえば、大魔神こと佐々木主浩氏が最も有名だろう。他にも現在、横浜DeNAベイスターズで二軍監督を務める三浦大輔氏や、一口馬主としてなら元中日ドラゴンズの山本昌氏もG1・2勝馬のアルアインに出資していたことで知られる。
馬主としての実績はやはり佐々木氏が際立っている。これまで所有した競走馬は25頭ほどと決して多くはないが、その中からヴィルシーナ、シュヴァルグラン、ヴィブロスの3頭がG1を勝利している。ただし、引きが強いと言われる佐々木氏だが、重賞初制覇は2012年にクイーンC(G3)を制した8頭目の所有馬ヴィルシーナ。しかし、5頭目の所有馬マジンプロスパーも同月に阪急杯(G3)を制しているため、購入順ではマジンプロスパーが最初に重賞制覇をもたらした馬となる。
話はツルネに戻るが、同馬は1勝クラスを勝ち上がったばかりだが、次走は紫苑S(G3、9月12日中山芝2000m)かローズS(G2、9月20日中京芝2000m)の秋華賞トライアルを目指すことが明らかになっている。前走の勝ちっぷりから、どちらに出てきても勝機はあるだろう。もしツルネが勝てば、佐々木氏を上回る4頭目の所有馬での重賞制覇がかなう。
吉井氏はツルネが2勝目を挙げた2日後に自身のブログに次のように記している。
「練習中だったのでライブでレースは見られなかったが、ゲーム前に録画で見ました。今回も種市の投球ビデオより、多く見てしまいました。秋が楽しみになってきました」(7月27日、吉井理人オフィシャルブログより)
種市というのはレース当日の25日に先発したロッテの種市篤暉投手のこと。教え子の投手を引き合いに、短文ながら愛馬への強い思いが伝わる内容だ。ちなみに種市投手はその日の登板で強力・西武打線を4安打に抑え、完封勝利を飾った。吉井氏にとっては馬主として、そして投手コーチとして最高の一日になったのは言うまでもない。
まだ馬主としては“駆け出し”の吉井氏。果たして佐々木氏よりも早い4頭目での重賞制覇はかなうだろうか。
PICK UP
Ranking
17:30更新横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 「正直なところ辟易としています」武豊が巻き込まれた29年前のアイドルホース狂騒曲…レース前に明かしていた「コンビ結成」の裏話
- 【NHKマイルC(G1)予想】ジャンタルマンタルは皐月賞の反動があるとみて消し! 出走唯一の連勝馬に着目
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 横山典弘「27年ぶり」ドバイ決戦へ。「自分の命と引き換えに僕を守ってくれた」盟友ホクトベガの死で止まった時間…今度こそ無事完走を