
JRAサウジアラビアRC(G3)横山典弘「能力が違う」ステラヴェローチェ圧勝劇は第2次“須貝政権”の到来!? ゴールドシップ&ジャスタウェイの猛威再び
10日、東京競馬場で行われたサウジアラビアRC(G3)は、3番人気のステラヴェローチェ(牡2歳、栗東・須貝尚介厩舎)が優勝。2017年ダノンプレミアム、18年グランアレグリア、19年サリオスと3年連続でG1馬を輩出している超出世レースを3馬身差で圧勝し、世代の中心に躍り出た。
勢いに乗る須貝厩舎から、またも「大物」の誕生だ。
降りしきる雨の中、不良馬場のレースを制したステラヴェローチェ。重巧者として知られるクロノジェネシスと同じバゴ産駒とあって、勝利騎手インタビューでは馬場コンディションが勝因かというような質問もあったが、横山典弘騎手は「ちょっと能力が(他の馬とは)違ったかな」と、ずば抜けて高い素質を絶賛。須貝厩舎からは、札幌2歳S(G3)を制したソダシに続く2歳重賞ウイナーが出現した。
「すでにソダシ、ステラヴェローチェが重賞を勝ちましたが、今年の須貝厩舎の2歳馬には、例年以上の好素材が揃っています。
函館2歳S(G3)で1.5倍に推されたモンファボリ、芙蓉S(OP)で不利を受けながらも3着だったヴェローチェオロといった、すぐにでもオープン馬になれそうな馬もいますし、ダートでの活躍が期待されるレッドソルダード、ヴェロックスの全妹ビューティーウェイなど、まだまだ活躍馬が出てきそうな印象です」(競馬記者)
須貝厩舎といえば、かつてゴールドシップとジャスタウェイの二枚看板で競馬界を席巻した名門だ。しかし、両馬の引退後はじょじょに成績が低迷……。G1勝利は2017年のヴィクトリアマイル(G1、アドマイヤリード)が最後となり、昨年はついに重賞未勝利。2012年から7年続いていた重賞勝利も途絶えることとなった。
だが、今年になって風向きが大きく変わる。
年明けの中山金杯(G3)をトリオンフが、レース当日に騎乗予定だった三浦皇成騎手が落馬負傷するアクシデントを乗り越えて勝利。ここまで重賞5勝は、二枚看板が活躍した2014年の到来を予感させる勢いだ。
「特に15番人気で復活の勝利を上げたアドマイヤジャスタの函館記念(G3)は、厩舎の執念を感じた勝利。長く低迷していた素質馬を見事に復活させました。須貝調教師にしても厩舎を支えたジャスタウェイの仔で重賞を勝てたことで、喜びもひとしおだったと思います」(別の記者)
この日のステラヴェローチェによる快勝劇には「ノリちゃん(横山典騎手)が最高に上手く乗ってくれた」と鞍上を絶賛した須貝調教師。「夏を越して体も大きくなり、力をつけた。今日みたいに上手な競馬ができたのは収穫」と、大きな手応えを掴んだようだ。
気になる次走については「賞金を持ったので、馬の様子を見て今後は決めます」とのこと。ゴールドシップ、ジャスタウェイを始め数々の名馬を手掛けた伯楽にとって、再び競馬界の“政権”を握る瞬間の到来を予感させる勝利だった。
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