
JRA史上初の屈辱コントレイルが年度代表馬「落選」……。アーモンドアイからバトンを受けた新王者に立ちはだかる「2つの壁」とは
今年は競馬界を背負うことが期待されるのだが……。
6日、JRAは2020年度JRA賞の受賞馬を発表。注目を集めた年度代表馬はアーモンドアイが受賞した。
その一方、史上3頭目となる無敗3冠を達成したコントレイル(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎)は最優秀3歳牡馬のみの受賞となった。
JRA賞の前身である啓衆社賞が始まった1954年以降、シンザン、ミスターシービー、シンボリルドルフ、ナリタブライアン、ディープインパクト、オルフェーヴル、コントレイルと7頭の3冠馬が誕生。これまでの6頭がすべて年度代表馬を受賞してきたが、コントレイルは無敗の3冠馬ながら初めて落選する結果となった。
やはり、アーモンドアイとの直接対決となったジャパンC(G1)で2着に敗れたことが響いているのだろう。得票数でもアーモンドアイが236票を集めているのに対して、コントレイルはわずか44票。3冠馬とはいえ、アーモンドアイに敗れたことがあまりにも痛かったようだ。
しかし、アーモンドアイはターフを去り、これからはコントレイルが新たな時代を築くことが期待される。来年こそは年度代表馬に輝くことが期待されるが、そう簡単にはいかないかもしれない。
1つ目の不安要素はディープインパクト産駒という点である。
過去に同産駒から6頭のダービー馬が誕生しているが、そのいずれも古馬となってからG1未勝利。ディープブリランテ、ロジャーバローズは早期引退となったが、キズナ、マカヒキ、ワグネリアンは古馬になってから思うような成績を残せていない。
牝馬ではジェンティルドンナ、マリアライト、ショウナンパンドラなどが2000m以上の古馬G1を勝っているが、牡馬ではフィエールマンとアルアインの2頭だけ。これが早熟傾向にあると言われる理由だ。コントレイルも成長力がないとすれば、4歳シーズン以降は苦戦することになるだろう。
2つ目が強力なライバルの存在だ。
アーモンドアイがいないとはいえ、先輩牝馬が立ちはだかることになるだろう。クロノジェネシスは春秋グランプリを勝っており、天皇賞・秋(G1)ではアーモンドアイを「1/2馬身+クビ」差まで追い詰めた。単純比較ではあるが、ジャパンCでコントレイルの着差が「1・1/4馬身」差だったことを考えれば、クロノジェネシスの方が上という見方もできる。
そして、安田記念(G1)でアーモンドアイを下したグランアレグリアも忘れてはならない。同馬は陣営から距離延長プランが飛び出しており、2000mが適性距離とされるコントレイルと激突する可能性が高そうだ。
他にも、デアリングタクトやサリオスといった同世代の成長にも警戒する必要があるだろう。
フィエールマンの電撃引退により長距離路線は王者不在となったが、コントレイル陣営は長距離戦に参戦しない意向を示している。そのため、2000m前後の距離で上記ライバルと鎬を削ることになりそうだ。
また再び猛威奮い始めた新型コロナウイルスの影響で、今年も海外遠征が著しく制限される以上、G1を勝つハードルは例年以上に高くなることが予想される。
史上初の年度代表馬「落選」3冠馬となったコントレイル。巻き返しが期待される4歳シーズンはそう簡単なものではないだろう。
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