JRA武豊は何故AJCC(G2)でスペシャルウィークに騎乗しなかったのか。明かされた当時の「事情」と、幻の天皇賞馬“ナリタサンデー”とは
24日に中山競馬場で開催される今年のAJCC(G2)は、昨年の牡馬クラシックを賑わせたアリストテレス、ヴェルトライゼンデ、サトノフラッグが注目を集めている。
彼ら明け4歳世代には三冠馬コントレイルという断然の主役がいるが、古馬になっても脇役に甘んじるつもりはないはずだ。打倒コントレイルへ、ここで弾みをつけるのはどの馬だろうか。
古くから中距離路線で確固たる地位を築いているAJCCは、明け4歳馬の素質馬にとって飛躍の舞台となることも少なくない。1999年に天皇賞・春秋制覇を成し遂げたスペシャルウィークもまた、このレースから大きく飛躍した1頭と言えるだろう。
アリストテレス、ヴェルトライゼンデ、サトノフラッグらと異なり、3歳で日本ダービー(G1)を制したスペシャルウィーク。しかし、決して世代の頂点に立っていたというわけではなく、彼らと同じようにチャレンジャーという立場だった。
何故なら、前年の牡馬クラシックはセイウンスカイが皐月賞(G1)と菊花賞(G1)の二冠を達成していた上に、2歳王者のグラスワンダーが有馬記念(G1)を制覇。さらにNHKマイルC(G1)とジャパンC(G1)を勝ったエルコンドルパサーが最優秀3歳牡馬に輝くなど、とんでもない世代だったからだ。
そんな”黄金世代”の頂点に立つため、1月のAJCCから早めの始動となったスペシャルウィーク。だが、その鞍上はキャリア17戦の内、15戦で手綱を執った武豊騎手ではなく、フランスの名手O.ペリエ騎手が務めている。
スペシャルウィークといえば、武豊騎手に初めてダービージョッキーの栄光をプレゼントした馬。そういった意味で武豊騎手の思い入れも強い存在だが、何故AJCCで騎乗しなかったのか――。その理由を覚えている人は意外に少ないのかもしれない。
「今週がAJCCということもあって、記者の間でもスペシャルウィークが少し話題に挙がりましたが、何故武豊騎手が乗らなかったのかを覚えている人は少数派でしたね。
一番多かったのが、アドマイヤベガの新馬戦の斜行による騎乗停止中だったという意見。後に武豊騎手へ日本ダービー2勝目をプレゼントする馬ですが、新馬戦では斜行による降着と波乱のデビューでした。
ただ、それで武豊騎手がスペシャルウィークに騎乗できなかったのは、3歳秋のジャパンC(G1)。ちなみにその時は、岡部幸雄騎手が代役を務めて3着に敗れています」(競馬記者)
記者曰く、武豊騎手がAJCCでスペシャルウィークに騎乗できなかったのは、シーキングザパールと共に米国のG1(サンタモニカH)に挑戦していたからだったという。
PICK UP
Ranking
5:30更新- ジャパンCはノーザンファームに逆らうな?武豊×ドウデュース、ルメール×チェルヴィニア、さらに社台グループの意外な隠し玉が出走?
- 武豊ドウデュースに「最強刺客」立ちはだかる…今年のジャパンCで「外国馬は消し」が危険すぎる理由
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- C.スミヨン騎手「サンデーが拒否」原因はC.ルメール騎手? ドバイターフ(G1)リアルスティール「鞍上ドタバタ劇」の裏事情
- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
関連記事
JRA AJCC(G2)アリストテレス状態不安で「単勝1.4倍」まさかの敗戦“二の舞”!? 週末の天気&輸送も追い打ちで苦戦必至か……
JRAアリストテレスAJCC(G2)「鉄板説」に異議あり!? コントレイルのライバルに意外なマイナス材料……低レベル世代に早くも怪しい兆候
JRA【AJCC(G2)展望】コントレイル世代「3強ムード」もアリストテレスは危険な人気馬!? 1週前追い切りに調教師から不満の声……
JRA毎年恒例の新馬戦「除外ラッシュ」は小倉開催で解決せず……。「なぜあの馬が」「なぜあの騎手が」……むしろ状況悪化の可能性も
JRA武豊と「未完の大器」が散った負の歴史……アリストテレス、ヴェルトライゼンデ、サトノフラッグに立ち塞がる「三冠馬世代の宿命」とは