
JRA「3歳ダート王」候補が1億5000万円のサウジダービーをスルーした理由。「オーナーの意地」「アメリカ挑戦」渦巻く目論見とは
28日、森秀行厩舎のフランスゴデイナ(牡3歳)、ピンクカメハメハ(牡3歳)がサウジダービーの招待を受諾したことが明らかになった。
昨年創設されたサウジCのアンダーカードとして行われるサウジダービーだが、賞金総額はなんと150万ドル(約1億5000万円)。この時期に行われる3歳ダート戦としては異例の賞金設定となっている。初代王者には同厩のフルフラットが輝いており、2年連続でビッグマネーを獲得できるか注目が集まる。
その一方、サウジダービーには目もくれず、3月のUAEダービー(G2)に登録を行ったのがレモンポップ(牡3歳、美浦・田中博康厩舎)だ。
新馬戦を3馬身差で快勝したレモンポップ。このレースで2着に下したサトノムスタングが次走の未勝利戦を7馬身差で勝ったことは、レモンポップの評価をさらに上げた。
2戦目のカトレアS(OP)は2着のタケルペガサスに1馬身半差の勝利だったが、3着馬には10馬身差以上つけている。現段階では3歳ダート王の最有力候補だ。
そんなレモンポップは米3冠競走にも登録を行い、ダートの本場を視野に入れている。次走に「ジャパン・ロード・トゥ・ケンタッキーダービー」の対象レースである2月のヒヤシンスS(L)を予定。すでに対象レースであるカトレアSも勝っていることから、勝てばケンタッキーダービーの優先出走権に大きく近づくことになるだろう。
2月にサウジアラビアで行われる高額賞金レースに向かわず、1着賞金が1900万円のリステッド競走に出走する理由はケンタッキーダービーの優先出走権にも思われるが、それだけでないはずだ。
レモンポップの馬主は「ゴドルフィン」。1日で高額賞金レースがいくつも行われるドバイミーティングを主催するシェイク・モハメド殿下率いる競馬組織として知られている。
これまで世界最高賞金レースを誇ってきたドバイワールドC(G1)だが、サウジCの創設により1位の座を譲り渡した。
さらに今年のサウジCデーはサウジダービーが70万ドル増えるなど、1日の賞金総額は3000万ドルを突破。その一方、ドバイミーティングはドバイワールドCの賞金こそ据え置きだが、それ以外のレースは賞金が減額となっている。
「開催時期、場所が近いサウジCデーは、ドバイ側からライバル視されていますね。賞金で抜かれた際にも『ドバイが1番である必要がある』というニュアンスのコメントを出していたぐらいなので。それもあってか、レモンポップはサウジダービーに見向きもせず、UAEダービーに向かうようですね」(競馬記者)
もし、レモンポップがUAEダービーを制し、米3冠競走で結果を残すことが出来れば、ドバイミーティングの威厳を見せつけることにもなるだろう。
今後、サウジアラビアとドバイによる競馬界の覇権争いも激化しそうだ。
PICK UP
Ranking
23:30更新「素行不良」で干された若手の更生に関西の大御所が名乗り! 福永祐一を担当した大物エージェントもバックアップ…関係者から「優遇され過ぎ」の声
【NHKマイルC(G1)予想】ジャンタルマンタルは皐月賞の反動があるとみて消し! 出走唯一の連勝馬に着目
横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 「関東の問題児」がバチバチの叩き合いで痛恨の騎乗停止…被害馬の騎手からもクレーム? 降着の裁決に「迷惑をかけてしまい申し訳ない気持ち」
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- JRA「一寸先は闇」のような勢力図の激変…注目集めた若手同期の明と暗、あの「お騒がせ騎手」が佐々木大輔に続くブレイク?
- 武豊「こんな馬ではない」アルテヴェローチェ不完全燃焼!レースレベルに疑問残るも…川田将雅「4コーナーで勝つと思いました」の明暗
関連記事
JRA藤田菜七子「非情」の乗り替わりでコパノ“ショッキング“!? 遠征敢行もサウジカップデー乗り馬なしの危機……。最後の望みはアノ騎手の騎乗停止か
JRA藤田菜七子は何故「サウジ遠征」を断念したのか。昨年、武豊と招待されるも遠征直前に「悔し過ぎる」アクシデント
「世界最高賞金レース」がトライアルに大暴落!? まるでアーモンドアイ、コントレイルがいないJRAジャパンC……「レースに出る必要があるのか」辛辣意見も
JRA「賞金総額20億円」サウジカップ2021年開催! あの「策士」の狙い目は同日開催の高額レース!?
JRA武豊「2月」サウジ遠征プラン浮上!? マテラスカイ2年連続参戦で、気になる「あの馬」の鞍上問題