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JRAファルコンS(G3)ダノンザキッドの二の舞は避けたいグレナディアガーズ、好走のカギを握るのは川田将雅の信じる力?

JRAファルコンS(G3)ダノンザキッドの二の舞は避けたいグレナディアガーズ、好走のカギを握るのは川田将雅の信じる力?の画像1

 20日、中京競馬場でファルコンS(G3)が行われる。左回りの芝1400mという条件は、後に控えるNHKマイルⅭ(G1)に向けての重要な前哨戦として位置付けられており、昨年このレース2着をステップに本番へ進んだラウダシオンが見事栄冠を射止めたのは記憶に新しいところだ。

 今年のファルコンSも世代屈指の快速自慢が集結した。中でも最も注目を集める存在と言えばやはりグレナディアガーズ(牡3、栗東・中内田充正厩舎)の名が挙がるだろう。昨年末の朝日杯FS(G1)で7番人気の低評価を覆し、早め先行抜け出しの積極策でステラヴェローチェ以下を振り切った2歳マイル王だ。

 前半1000m通過を56.9秒のハイペースで逃げたモントライゼは10着に沈んだが、3番手を進んだグレナディアガーズも1000m通過が57.8秒と決して楽なペースではなかった。それでも上がり3Fを34.5秒でまとめ、1:32.3のレコードタイムで後続を封じ込めたのは見事と言う他ない。

 デビュー戦から一貫してコンビを組む川田騎手はレース後、「新馬前から素質を感じていた馬なのでこうして結果が出ることが何より嬉しい。性格が難しい馬なので気分を害さないように気持ち良く走れる競馬をイメージした」とコメントを残しているように、馬の能力を信じた好騎乗だった。

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 だがしかし、「過信」は時に「油断」に転じる。7日に中山競馬場で行われた弥生賞ディープインパクト記念(G2)で川田騎手がコンビを組み、単勝オッズ1.3倍の圧倒的1番人気に支持されたもう1頭の2歳王者ダノンザキッドは「確勝級」のクラシック候補筆頭と言える存在であったが、3着と敗れた。

 勝ったタイトルホルダーは2歳時にダノンザキッドが完封してきた馬であるが、あれだけ楽に行かせては直線だけでそうそう何とかなるものではない。2009年エリザベス女王杯(G1)でブエナビスタがクィーンスプマンテとテイエムプリキュアにしてやられたように、どれだけ強い馬であろうと油断が命取りとなることは珍しくない。

 前哨戦で思わぬ不覚を取ったダノンザキッドと川田騎手のコンビだが、これが本番でなかったことは幸いでもあった。レース後に「負けることも想定内」だったかのようなコメントが注目を集めたが、パートナーの力を信じ切れなかったがための試行錯誤だったという側面も少なからずあるだろう。川田騎手にしてみれば2歳王者の年明け初戦を再び落とすことは避けたいところである。

 最後に少しグレナディアガーズの血統について触れておきたい。父フランケルは代表産駒のソウルスターリング(オークス、阪神JF)、モズアスコット(安田記念、フェブラリーS)で知られる現役時14戦無敗の欧州歴代最強馬。母ウェイヴェルアヴェニューはブリーダーズⅭフィリー&メアスプリント(G1)の勝ち馬。紛れもなく「世界的良血」である。

 グレナディアガーズにとっては2つ目のG1制覇へ好発進を決めたい一戦。川田騎手は「性格が難しい世界的良血」を勝利へと導けるのか?それともダノンザキッドの二の舞か?ファルコンSは名手の手綱捌きに要注目だ。

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