パチスロ「エクストラ級の出玉性能」低設定でも“事故多発”！ 出玉率「119％」で安定感も兼ね備えた名機シリーズ！

　中学生時代の英才教育（？）で、スロッターへの道を高速で駆け上がった筆者は、高校生になってもゲームセンターへ通い続けていた。

　しかし、高校生になると、できることの幅が一気に広がる。自分でお金を稼ぐことができるし、そのお金でバイクなどの免許も取得できる。学校生活は文化祭などのイベントが盛りだくさん。そしてなにより大事な大学受験もある。そうした影響で生活環境はガラリと変わってしまい、次第にゲーセンから足が遠のいた。

　そんなパチスロとは無縁の学生生活を送っていたものの、やはりパチスロの存在は忘れられず……。そして大学受験を終えて18歳を迎えたとき、ついにホールデビューを果たすのだ。

　初打ちに選んだ機種は山佐の『バイオハザード』。出玉率約119％という当時屈指の出玉性能を誇っていた名機である。だが、本機は通常のリールよりも1つ多い4thリールを搭載したマシン。その上、現在の機種のような親切さはまるでなく、わけが分からないまま、あっという間に軍資金が溶けていった。

　ビギナーズラックとはならず、リアルパチスロの洗礼を初打ちで受けてしまったが、こんな些細なことでめげてはいられない。その翌月、初打ちで受けた屈辱を晴らすため、バイト代を全額おろしてホールへ向かった。

　その日選んだマシンは5号機ドンちゃんシリーズ第3弾となる『緑ドン』。この機種を選んだ理由は、単純に『HANABI』シリーズ（4号機）が好きだったのと、リール配列などを見て「これなら打てそう」と感じたからである。

　スペックは、2種類のボーナス（BIG、REG）とARTで出玉を増やしていくA+ARTタイプ。ART「万里遊戯」までのルートは至ってシンプルで、ボーナス終了後or周期ゲーム数で突入するCZ「ドンちゃんチャレンジ」で押し順を当てるか、あるいはボーナス中のドン揃いor特殊条件達成でART突入となる。

　ART「万里遊戯」は1セット50G、純増1.3枚の継続抽選タイプ。消化中の全役で継続抽選が行われ、その当選率は内部的なループ率（3％～94％）に応じて変化する。消化中の継続抽選と聞くと「とてもシンプル」と思うかもしれないが、当時の機種のなかでは非常に珍しく、斬新で画期的なシステムだった。

　さらに本機の出玉率は設定6で約119％と、先の『バイオハザード』と同じくエクストラ級の性能を有していた。

　設定6をツモることができればほぼ勝ち確。いずれも旧イベント日の看板機種として人気を博していたが、『緑ドン』に関しては低設定でも事故が起きやすく、個人的には『バイオハザード』よりも断然ヤれる機種だと思う。

　実際、人生2回目となる実戦では、明らかな低設定挙動でも4000枚近くのコインをゲットできたのである。

　先述した通り、本機はBIG中のドン揃いでARTが確定するのだが、それに加えて揃った時点で40％以上のループ率が確定、さらに2回目以降のドン揃いは継続率がアップしていく仕様。つまり、自力でMAXの94％ループまでもっていくことができるのだ。

　初のBIGでドンちゃんが揃い、早々にARTをゲットした筆者。その消化中にもBIGを引き、ここでは二度のドン揃いに成功した。この時点で継続率は88％以上。たった2回のBIGで大量出玉への王道ルートが完成してしまったのである。

　その後は、ボーナスとARTがうまく絡み、気づけば3000枚オーバー。さらに4回目のドン揃いが炸裂するなど、抜群のヒキで最大ループまで到達することができた。なお、高設定の場合はループ率の格下げ抽選が行われるため、一撃を狙うのであれば低設定の方が有利という特殊な仕様となっている。

　この実戦の結果、『バイオハザード』での負け分を全額取り返すことに成功。見事リベンジを果たすのだった。

　次回は、同じく「119％スぺック」で脚光を浴びたミズホの『銀河英雄伝説』を振り返りたいと思う。

（文＝バイラス渡邉）
<著者プロフィール>
好きが高じて、パチンコ業界で開発業務などを経験。開発会社や某メーカーを渡り歩いた後、フリーのライターへ転身。幼少期時代から慣れ親しんだパチスロでの思い出、元業界関係者だからこそ分かる機種の新情報を独自の分析を交えつつ紹介している。

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