【天皇賞・春】武豊に次ぐ「長丁場の鬼」が超人気薄で虎視眈々…!?「バテない馬だし京都向き」惨敗で評価急落も条件大好転
「長距離戦は騎手」を体現する名手と言えば
28日、京都競馬場で行われる天皇賞・春(G1)。
3000m級の重賞連勝中のテーオーロイヤル、昨年の菊花賞馬ドゥレッツァ、ダービー馬のタスティエーラらに交じって、重賞未勝利で、さらに70年以上も勝利例のない牝馬のサリエラが上位人気を争っているのは、やはりレジェンド・武豊騎手の存在が大きいはずだ。
前人未到の4連勝に加えて通算8勝を誇るなど、天皇賞・春を大の得意にしている武豊騎手は、まさに「長距離戦は騎手」という競馬の格言を体現している存在と言えるだろう。
それもただ天皇賞・春に強いというだけでなく、「庭」と自負しているだけのこともあって、京都の長距離戦は相性抜群だ。
京都で行われた天皇賞・春10回を含む過去12年間 (2012年1月1日~24年4月26日)での「京都芝3000m以上」のレースの勝率21.7%は、今年の天皇賞・春に挑戦するジョッキーで文句なしのNo.1。複勝率は驚異の43.5%を誇り、サリエラにとってもこの上なく心強い相棒と言えるだろう。
ただし、そんなレジェンドにも明確な弱点がある。これまでの天皇賞・春で8勝を含む18回も馬券対象になっている武豊騎手だが、そのほぼすべてが3番人気以内の実力馬。唯一、4番人気以下で馬券に絡んだイナリワン(1着)も単勝9.3倍の4番人気だった。
3番人気以内なら通算[7.6.4.6]という圧倒的な成績を誇る武豊騎手だが、逆に4番人気以下なら[1.0.0.5]と並みの騎手レベルまで成績が低下。サリエラが3番人気以内に支持されるか否かは、取捨の極めて大きなポイントになりそうだ。
そんな武豊騎手と共に狙ってみたいのが、メイショウブレゲで参戦する酒井学騎手だ。
トーホウジャッカルとの菊花賞(G1)制覇が有名な酒井騎手だが、実は上記の条件であれば、武豊騎手に次ぐ信頼できるジョッキーになる。勝率13.3%は武豊騎手の21.7%と水を開けられているが、複勝率33.3%は十分に期待できる成績だろう。
その上で酒井騎手は、人気薄でも期待できる点が大きい。
「武豊人気」もあって、どうしても人気馬の良績が目立つ武豊騎手とは異なり、酒井騎手が上記の条件の際に1番人気馬に騎乗した回数はゼロ。2番人気2着のラブラドライト(2014年・万葉S)、3番人気1着のトーホウジャッカル(2014年・菊花賞)と少ない上位人気馬を確実に馬券圏内に持ってくる手腕も然ることながら、穴馬でも良績が目立っている。
メイショウブレゲは26日(金)の最終オッズで単勝万馬券の14番人気と超人気薄が予想されるが、長距離戦を得意とする酒井騎手が騎乗していることは頭の片隅に置いておきたい。
惨敗で評価急落も「バテない馬だし京都向き」条件好転
また、前走の阪神大賞典(G2)で10番人気8着だったことで評価を落としているメイショウブレゲだが、今回は大きく状況が好転する。
前走の阪神大賞典は、週末の天皇賞・春でも対戦するテーオーロイヤルに1.4秒もちぎられる、まさに完敗だった。それが今回の評価に繋がっているわけだが、外々を回らされる苦しい展開だった上に2着ワープスピードからは0.6秒しか離されていない。
その上、メイショウブレゲが3000m以上で馬券になった2回はいずれも京都だ。本馬を管理する本田優調教師も「追い出して、すぐ反応できる馬じゃない。京都の方が下り坂を利用できるので走りやすいんじゃないか」と舞台変更に期待している様子。後方から淀の下りを利用する早め進出が好走パターンのメイショウブレゲにとって、7枠15番の発走は悪くないはずだ。
また、近5走で馬券圏内を外したのは、いずれも雨によって馬場状態が悪化したレースだった。逆に良馬場なら2着、1着の好成績。そして、この2走がいずれも京都の3000mとくれば、良馬場が見込める今回の天皇賞・春はメイショウブレゲにとって生涯最高の晴れ舞台になるかもしれない。
「バテない馬だし京都向き。本番に出られれば、今日以上に動けると思う」とは、前走の阪神大賞典を終えたばかりの酒井騎手の言葉だ。希望通り、本番に出ることはできた。後は得意の京都で、水を得た魚になるだけだ。
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