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JRAジャパンC(G1)黒船と化した武豊が16年ぶり「日本沈没」を予告!? 歓喜の裏でラヴズオンリーユーが鳴らした警鐘

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 7日、アメリカのデルマー競馬場で開催されたブリーダーズC(G1)。フィリー&メアターフをラヴズオンリーユー、ディスタフをマルシュロレーヌがそれぞれ制し、日本調教馬による初のブリーダーズC制覇という歴史的快挙を成し遂げた。

 5歳牝馬2頭が矢作芳人厩舎にもたらした偉業に関係者も大興奮。国内外の各メディアでも大々的に報じられることとなった。

 こちらに対し、日本が誇る国際レース・ジャパンC(G1)の現状にも触れておきたい。

「世界に通用する強い馬づくり」をスローガンに創設されたこのレースは、日本ダービー(G1)と同じ東京芝・2400mを舞台に開催される。1981年の第1回から数えて今年で第41回と歴史も長い。

 また、ジャパンCを優勝した馬が手にする賞金3億円は、秋の天皇賞(G1)の1億5000万円に比べて2倍の金額。少なくともレースの「格式」については、国際レースと呼ぶに相応しいといえる。

 ホーリックスとオグリキャップの壮絶な叩き合いで当時の世界レコード2分22秒2という驚異の決着でも話題を呼んだ89年。ランド、シングスピール、ピルサドスキーによる95年から97年にかけての外国馬3連覇もあった。

 しかし、2005年のアルカセットを最後に外国馬の活躍は鳴りを潜め、気がつけば翌06年から昨年まで15年もの長きに渡って日本馬の連勝が続いている。この背景に日本競馬全体のレベルアップも無関係ではないが、年々高速化の進む日本特有の固い馬場を嫌って回避する外国馬の陣営が増えたことも大きく影響しているだろう。

 これ以外にも検疫やゲートの問題など他の要素もあるだろうが、日本より重くて力を要するといわれる欧州の馬場で行われる凱旋門賞(G1)で日本馬が苦しむのと同様に、欧州馬もまた、軽くてスピードを要する日本の馬場に苦しんできたことも確かだ。

 改めて振り返りたいのは、アメリカのG1で1番人気に見事応えたラヴズオンリーユーの勝利だが、快挙を後押ししたのはデルマー競馬場の馬場ではないだろうか。

『netkeiba.com』にて、海外競馬評論家の合田直弘氏がコラム内で「日本の馬場よりも固い」と述べていたことも見逃せない。こちらについては、当然ながら矢作師もおそらく把握していた上での挑戦だったことは想像に難くない。

 そこで今回、注目したいのは同じブリーダーズCでもユビアーが優勝したターフの方である。このレースにはジャパンCに出走を表明しているブルームとジャパンが参戦。ブルームは勝利寸前のところで交わされての2着、ジャパンも4着と見せ場を作ったが、今年の凱旋門賞(G1)で2着に好走したタルナワは11着と大敗し、圧倒的1番人気を裏切っている。

 これが意味するものとは何なのか。

「重巧者でもあるタルナワの敗戦には、前走の疲れだけでなく馬場適性も影響した可能性が考えられます。道中の位置取りは勝ち馬とほぼ変わらない後方でしたから、後ろ過ぎて脚を余したという訳でもない結果です。

同じく欧州で走っていた2頭が好走したことを考えると、この明暗は“馬場適性”だったという仮説も成り立つかもしれません。つまり、ジャパンCでも引き続き好走しておかしくないということにもなります」(競馬記者)

 事実、今年のブリーダーズCターフの勝ち時計は、2分25秒9のレコード。日本の馬場に近い固さが高速決着へ繋がったと見ていいだろう。

 ということは、例年の外国馬であれば日本の高速馬場に苦戦するものの、ブルームとジャパンには適性を持っているということにもなる。日本馬のラヴズオンリーユーが、同日に同じコースを苦にしなかったのだからその説得力は十分にある。

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 そして、ジャパンCでブルームに騎乗するのは、日本の競馬を知り尽くしているレジェンド騎手の武豊だ。これならA.オブライエン師の送り込む2頭が、アメリカ競馬を経由する黒船と化し、連勝を続ける日本勢を沈没させるというシナリオに現実味が帯びてくる。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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