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JRA阪神JF(G1)兄弟対決はM.デムーロに軍配で武豊「34連敗」の屈辱! ウォーターナビレラ見せ場は作るも「あと一歩でした」

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阪神JFに挑んだ武豊騎手とウォーターナビレラ

 12日、阪神競馬場で開催された阪神JF(G1)は、M.デムーロ騎手の3番人気サークルオブライフ(牝2、美浦・国枝栄厩舎)が優勝した。同馬は前走のアルテミスS(G3)に続く重賞連勝。未勝利戦から3連勝で一気に2歳女王へと駆け上がった。

「ポテンシャルは十分見せてくれているので、来年ものすごく楽しみです」

 レース後、会心の勝利をそう振り返ったM.デムーロ騎手としても、負けられない大一番だった。C.デムーロ騎手が騎乗するナミュールが1番人気。4着に敗れた弟に対して、兄の意地を見せつけた格好だ。

 一方、武豊騎手がコンビを組んだウォーターナビレラ(牝2、栗東・武幸四郎厩舎)は惜しくも3着まで。直線半ばで一度は先頭に躍り出るシーンもあったが、内から伸びたラブリユアアイズ、外からサークルオブライフに交わされた。

「思い通りのレースができて、状態も良かった。惜しかったですね。あと一歩でした」とは、武豊騎手のコメント。デビューから3連勝のウォーターナビレラで臨んだ初G1。弟の武幸師が管理する馬で勝利をプレゼントしたかったが、勝利の女神は微笑んでくれなかった。

 そして、この敗戦は競馬界が誇るレジェンド騎手の不名誉な連敗記録を更新することにも繋がった。かつて数多くのG1タイトルを手にしてきた名手も、近年は以前のようにG1の勝利インタビューでその姿を目にすることも減りつつある。

 直近のG1勝利は、2019年にワールドプレミアで制した菊花賞(G1)が最後。さらに阪神の芝1600mの場合、04年にダンスインザムードで制した桜花賞(G1)まで遡らなければならない。最後の美酒からすでに33連敗中だったが、今年の阪神JFを敗れたことにより、朝日杯FS(G1)も含めて「34」と連敗記録が伸びることとなった。

 全盛期の武豊騎手なら1番人気に推されたかもしれないウォーターナビレラが、4番人気に留まったことも、ファンが近年の不調を気にした可能性もありそうだ。

「敗れはしましたが、ウォーターナビレラも『負けて強し』の競馬だったと思います。先行した馬で唯一馬券に絡んでいますからね。展開的にも決して楽ではなかっただけに、むしろ力のあるところを証明できたのではないでしょうか。

距離が延びてよさそうなタイプではないですが、桜花賞でも有力候補の1頭だと思いますよ。ただ、武豊騎手の連敗がここまで長く続いていたことには正直驚きました。桜花賞最多勝利騎手にしては意外でした」(競馬記者)

 来週の朝日杯FSには期待馬ドウデュースがスタンバイ。そしてこのレースは武豊騎手が大の苦手とし、G1全制覇への障害となっている数少ないレースの1つだ。苦戦が続く阪神芝1600mを舞台に行われるレースで、この不名誉な記録更新にストップをかけたいところだ。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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