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JRAノーステッキ「8馬身差」の独壇場! エフフォーリア世代にまたも「大物」誕生の予感、スカーレット一族の遅咲きが魅せた大変身

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C.ルメール騎手

 30日、東京競馬場で行われた12Rの4歳上・2勝クラスは、C.ルメール騎手の1番人気カーディナル(牡4、美浦・林徹厩舎)が勝利。単勝オッズ1.8倍の断然人気に応え、準オープン入りを決めた。

 まさに「ノーステッキの圧逃劇」だった。

 8頭立ての芝2000mで行われたレース。スタートを切った後、迷いなくハナを奪ったカーディナル。1000m通過59秒3のマイペースに持ち込むと、そのまま先頭で最後の直線を迎える。

 そしてここからは独壇場ともいっていい独り旅。残り300m付近で軽く追い出されると、あとは後続を突き放すばかり。鞍上のルメール騎手が、一度もムチを入れることもなかったほどの十分な手応え。最後には手綱を緩め、後ろを確認する余裕もあった。ゴールでは2着馬が、8馬身も置き去りにされた大楽勝だった。

「最後の直線を向いたところで、一旦は後ろまで迫られましたが、余力たっぷりで突き放したあたり、ここではレベルが違いましたね。また時計が出る高速馬場も、この馬には合っていました」(競馬誌ライター)

 強過ぎる勝利の裏には、時計勝負に強い裏付けがあるからだろう。昨年6月に東京芝2400mで行われた未勝利戦で、同馬がマークした勝ち時計2分24秒7は、過去10年における同舞台の未勝利戦と比較しても断トツのトップだからだ。

「同日に行われた東京9Rセントポーリア賞(1勝クラス)で、ルメール騎手は逃げたウィズグレイスに騎乗していました。最後は勝ち馬の決め手に屈して2着に敗れはしましたが、勝ち馬はG1級ともいえるパフォーマンスでした。このとき、ルメール騎手は相手が強過ぎたと振り返っていましたが、前が残る馬場であることを感じ取っていたかもしれません。

過去に一度この馬に騎乗経験のあるルメール騎手は、折り合いに課題があることを知っています。この日の馬場とポテンシャルを考慮して、敢えてハナにいかせたようにも見えました。

開幕週で馬場コンディションが良かったとはいえ、勝ち時計の1分58秒2は優秀なタイムです。クラスが上がっても即通用すると思える走りでした」(同)

 そんな圧勝を決めたカーディナルだが、初勝利まで実に5戦を要した遅咲きだ。馬券圏内を一度も外したことのない安定感がある一方で、最後の決め手に欠ける一面も持ち合わせていた。

 しかし、昨年未勝利を勝ってわずか半年足らずで、今までが嘘だったかのように順調に勝ち星を積み重ねている。これまでは好位から抜け出す競馬が多かったが、これならスピードを生かした逃げも合っているかもしれない。

 同馬は、歴史的名馬ダイワメジャーやダイワスカーレットを産んだスカーレットブーケが大叔母にあたる、いわゆる「スカーレット一族」の血を引く馬でもある。過去にも多くの活躍馬を輩出している血統だが、今年に入ってもその血を受け継ぐライラックがフェアリーS(G3)を制しており、まだまだこの血筋の強さは健在だ。

 エフフォーリアと同世代で同じキャロットファームの所有馬という事もあり、今後対戦する事があるかどうかはさておき、新たなスカーレット一族の大物候補として楽しみな馬が増えた事には変わりない。次走でも圧巻のパフォーマンスに期待したい。

(文=ハイキック熊田)

<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?

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