JRA 「今日はそれ以前の問題」武豊が危険騎乗にご立腹!? 同期ぶっちぎりの 「新人制裁王」が早くもランクインの悪目立ち
「今日はそれ以前の問題で……」
競馬界のレジェンドも流石に今回ばかりはどうすることもできなかったようだ。
13日、阪神競馬場で行われた12R・4歳上2勝クラスは内田博幸騎手の8番人気ゴダイリキが勝利。豪腕で知られる内田騎手でも、道中は抑えるのに苦労するほどの手応えから直線で進路を確保すると、一気に伸びて2着馬を差し切った。
2着に6番人気、3着に5番人気と穴馬による上位独占で、3連単の払戻も66万円とかなりの高配当になった。そんな波乱の決着に一役買ってしまったのが、武豊騎手の1番人気シャークスポット(牡4歳、栗東・高柳大輔厩舎)だ。
15頭で争われたダート1400m戦。レースはメイショウナリヒラが押して押してハナを譲らない構えを見せ、これにアールジオールが競り掛けるハイペースで進む。中団で脚を溜めていたシャークスポットにとっては絶好の展開となった。
しかし、4コーナーで頭を高く上げる仕草を見せてスムーズさを欠くと、直線で前が開いてもジワジワと伸びるのみ。同枠の勝ち馬のような鋭い脚は見られず7着に敗れ、ファンの支持に応えることができなかった。
レース後の武騎手は「本当は左回りの方がいい馬ではある」と、敗因の1つにコースを挙げた。本馬が馬券圏内に入ったJRAのレースは、全て東京や中京と左回りだ。高柳厩舎のスタッフは「久々の右回りですが、当時とは馬が違いますから」と戦前に話していたが、まだ苦手意識は解消されていなかったのかもしれない。
だが、武騎手がコース以上に痛恨と感じていたと思われるのが、スタート直後に受けた不利である。同騎手は先述の「左回りの方がいい馬」に続けて「今日はそれ以前の問題で……」と語り、「向こう正面での不利が大きかった」と嘆いていた。
「脚元が芝からダートに替わった直後のシーンでしょうか。9番のアールジオールが先行争いに加わった際、レースの勝ち馬と接触しました。その煽りを最も受けてしまったのが、武騎手のシャークスポットです。進路が完全に塞がれてしまい、位置を後退させざるを得ませんでした。
そこから走りのリズムも悪かったように思えます。競走馬は繊細な生き物ですから、精神面でも影響があったかもしれません。不利が無ければと武騎手が感じるのは自然だと思います」(競馬誌ライター)
そして、レジェンドに図らずも痛恨の不利を与えてしまったのが、先日デビューしたばかりの鷲頭虎太騎手だ。
所属する千田輝彦厩舎のアールジオールを、自身の減量特典を生かして勝利へ導きたかったのだろうか。先行争いに加わる際、内側へ斜行したことで加害者となった。鷲頭騎手には過怠金3万円の制裁が下っていることから、一歩間違えれば危険な騎乗だったことだろう。
鷲頭騎手はデビュー間もないため、今回のような騎乗は仕方ないという見方もある。ただ一方で、同騎手は実は今回がデビューして初めての制裁ではない。デビュー2日目にあたる6日の阪神6Rでも制裁を受けており、この時は1Rに2度の斜行をして計4万円の過怠金処分を受けていたばかりだった。
実働4日ながら早くも3つも制裁を受けたため、制裁点は8点と同期で独走の悪目立ち。また、この時点で制裁点リーディング10位タイにランクインしており、このペースだとデビュー1ヶ月で上位ランクインの可能性すらある。
前日12日には松山弘平騎手が落馬により、頭部外傷の重傷を負い、容態が心配されている状況だ。危険と隣り合わせの仕事柄、鷲頭騎手には制裁点を加算するような騎乗が少なくなることを願いたい。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……
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