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JRA阪神大賞典(G2)隠れた「リピーター」の超高額ディープインパクト産駒がついに復活!? 得意舞台で悲願の重賞タイトルを狙う!

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 20日、阪神競馬場では阪神大賞典(G2)が行われる。JRAでは数少ない長距離重賞の1つであり、5月に行われる天皇賞・春(G1)に直結する重要な前哨戦である。

 阪神の芝3000mはその距離に加えて、内回りで坂を2度越えるコース形態も相まって、ステイヤーとしての資質が厳しく問われるタフな舞台。このような特殊な適性が要求される長距離重賞では、過去に好走歴のある「リピーター」を狙うのがセオリーだ。

 実際に阪神大賞典では過去にゴールドシップが3連覇(13年、14年、15年)を達成。今年出走を予定しているユーキャンスマイルも20年1着、21年2着と2年連続で好走している。

 今年のメンバーに目を移すと、昨年の勝者ディープボンドと先述した昨年2着馬ユーキャンスマイルが共に出走予定。この2頭は当然今年も有力視されているが、その影に隠れてもう1頭「リピーター」が存在する。

 トーセンカンビーナ(牡6歳、美浦・加藤征弘厩舎)は20年の阪神大賞典で2着に好走しており、この馬も正真正銘「リピーター」である。その後に挑んだ天皇賞・春でも5着に健闘し、ステイヤーとしての資質を見せていた。

 トーセンカンビーナは父ディープインパクト、母はアメリカンオークス(G1)を制したカンビーナという良血。セレクトセールでは2億3000万円で取引された超高額馬である。

 周囲の期待に応え、ステイヤーとして頭角を現したトーセンカンビーナ。しかし次戦の宝塚記念(G1)への挑戦で歯車が狂い始める。20年の宝塚記念は直前に豪雨があり、非常にタフな馬場で行われたことが響いたか、同馬は最後方から脚を伸ばすも8着に惨敗してしまった。

 このレースでの消耗が激しかったのか、秋に挑んだオクトーバーS(L)、アルゼンチン共和国杯(G2)では続けて2桁着順の大敗を喫することに。

 連続の大敗を経て、トーセンカンビーナは約10か月の長期休養に入った。これが功を奏したのか、休養明けは徐々に調子を取り戻し、昨年のステイヤーズS(G2)では4着に好走。前走のダイヤモンドS(G3)ではスタートで立ち遅れるも、4角から馬群の大外を追い上げて3着に食い込んだ。

 確実に調子を取り戻しつつあるトーセンカンビーナ。管理する加藤征師は「引き続き状態はいい。レースではどうしてもゲートを出てくれないけど、それでも相手ひとつでしょう」と自信を感じさせるコメントを出している。悲願の重賞タイトルへ向けて、態勢は整っているように思える。

 2年前に2着に好走した得意舞台で、完全復活を遂げることができるのか。隠れたリピーター・トーセンカンビーナの巻き返しに期待したい。

(文=エビせんべい佐藤)

<著者プロフィール>

98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。

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