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JRA 覚醒したジャックドールを止めるヒントは「父」にあり!? 無敵状態のモーリスに土を付けた2頭の「共通点」とは

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 13日、中京競馬場で行われた金鯱賞(G2)。勝ったのは4連勝中で初めての重賞に挑んだジャックドール(牡4歳、栗東・藤岡健一厩舎)だった。

 昨年9月に1勝クラスを勝ってから破竹の勢いで勝ち進み、5連勝で重賞を初制覇。今回はG1勝ちのあるレイパパレやアカイイトを従えての勝利であり、走破タイムの1分57秒2は従来の記録を1.1秒も更新する破格のレコードとあって、一気のG1獲りというのも現実味を帯びてきた。

 ジャックドールの快進撃を見て思い起こされるのが、同馬の父・モーリスの姿である。

 4歳になった2015年1月に1000万下(現2勝クラス)を勝ち上がると、そこから連勝街道が始まる。3連勝でダービー卿CT(G3)を勝って重賞初制覇を成し遂げると、続く安田記念も制してG1を初制覇。その後はマイルCS(G1)も制して春秋マイル王となった。また、年をまたいで香港のマイルG1も連勝した。

 その後、連覇に挑んだ安田記念(G1)を2着に敗れて連勝は「7」でストップ。つづく札幌記念(G2)でも2着に敗れたが、天皇賞・秋(G1)で再び凱歌をあげると、ラストレースとなった香港カップ(G1)も勝利。有終の美を飾ってキャリアに幕を下ろしている。

 4歳になった2015年以降の戦績は驚異の【9-2-0-0】。香港での3勝を含むG1通算6勝と、まさに勝ち出したら手が付けられない状態だった。そんな父の前例があるだけに、その血を引くジャックドールの連戦連勝を目の当たりにして期待が大きく膨らむのは当然のことだろう。

 もし、歴史が繰り返すのであれば、ジャックドールの“倒し方”についてもモーリスの事例が参考になるのではないか……。【9-2-0-0】の「2」の部分を掘り下げてみると、そこにはある共通点があった。

 2016年の安田記念はロゴタイプ、同年の札幌記念はネオリアリズム。無敵に思われたモーリスに先着をしたのは、いずれも「逃げた馬」だったということだ。

 安田記念では掛かり気味に2番手追走も、ラチ沿いを逃げて自身よりも0.1秒速い上がりを繰り出したロゴタイプを最後まで捕まえきることができず。キャリア初の2000m戦となった札幌記念は、道中8番手から外を回って前を飲み込んで行ったが、またしてもラチ沿いで粘り込みを図るネオリアリズムにまんまと逃げ切りを許してしまった。

 ジャックドールは5連勝のひとつ目、1勝クラスのレースこそ逃げ馬を前に2番手で進めて勝ち切っているものの、以降のレースはすべて逃げる形での快勝。強力な逃げ馬を前に置いてレースをした経験はない。

 今回の金鯱賞でも、前に行きたい馬が多いという戦前の予想に加え、陣営が「どうしてもハナに行かなきゃいけない、ということもない」「どこかで脚質は少し変えなきゃいけないとも考えています」とコメントしていたこともあって、G1の大舞台を前に控える競馬を重賞の舞台で試すのではという見方もあった。ところが、ゲートが開くと先手を主張する馬は皆無。結局、ジャックドールがスピードの違いでハナに立ち、ペースを握ってそのまま逃げ切っている。

「控える形が不安要素」と強調するほどではないものの、そのスピードとストライドの大きさを活かすためには、今後も逃げる形がベターだろう。そうなると、真価が問われるのは逃げにこだわる馬との対決。ハイペースで競りかけられた経験もないだけに、プレッシャーをかけてくる馬や、自分よりも前に行く馬がいる状態でどんなパフォーマンスができるのかという点は、今後の大きな注目ポイントになる。

 父にはなかった「逃げ」という武器を活かし、今後も後続に影をも踏ませぬ形で連勝街道を突き進んで行くのか。それとも、父と同じように、前に行った馬に足下をすくわれる形で苦杯をなめるのか……。

 一気に競馬界の主役候補となったジャックドールの今後から、目が離せない。

(文=木場七也)

<著者プロフィール>
29歳・右投右打。
本業は野球関係ながら土日は9時から17時までグリーンチャンネル固定の競馬狂。
ヘニーヒューズ産駒で天下を獲ることを夢見て一口馬主にも挑戦中。

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