JRA金鯱賞(G2)4連勝ジャックドールVS女王レイパパレ! 大逃げパンサラッサも参戦予定の大阪杯へ「超強力」逃げ馬が激突!
「勝ち馬が想像以上に強かった。あのペースで逃げられて、逃げ切られては手の施しようが……」
先週の中山記念(G2)でアドマイヤハダルに騎乗した横山武史騎手は、そう白旗を挙げざるを得なかった。勝ったパンサラッサのハイラップの逃げは強烈で、復調した昨年の皐月賞(G1)4着馬をもってしても完敗を認める他なかった。
この勝利で一気に大阪杯(G1)の有力候補に躍り出たパンサラッサ。陣営によるとドバイターフ(G1)との両睨みとのことだが、仮に大阪杯に出てくるなら昨年の年度代表馬エフフォーリアも頭を悩ませる存在になるだろう。
ただ、今年の古馬中距離戦線で「警戒すべき逃げ馬」は本馬だけではない。来週の金鯱賞(G2)で激突する2頭は、いずれも大阪杯まで連勝してもおかしくない実力馬だ。
■今年の金鯱賞はハイレベル&ハイペース?
まずはレイパパレ(牝5歳、栗東・高野友和厩舎)。言わずと知れた昨年の大阪杯の覇者である。
昨年の大阪杯は前年の三冠馬コントレイルと、マイル女王グランアレグリアが初めて激突した大注目のレースだった。しかし、フタを開けてみれば、スタート直後からハナに立ったレイパパレが後続を完封して4馬身差の圧勝。“ハマった”時の強さは現役屈指だ。
その後、期待されたほどの活躍はできていないが、今年は始動戦が金鯱賞になる見込み。もし、復活の勝利を挙げれば一気に最有力候補に挙げられる1頭である。
一方で、上がり馬ジャックドール(牡4歳、栗東・藤岡健一厩舎)は目下4連勝中と絶好調だ。
中山記念でパンサラッサに逃げ切られたアドマイヤハダルだが、前走の白富士S(L)で影も踏めずに逃げ切りを許したのが、このジャックドールである。3歳春のプリンシパルS(L)で敗れてクラシック出走を断念したが、そこから4連勝で一気にのし上がってきた。
特筆すべきは、ここまでキャリア8戦すべて芝2000mに使われており、陣営の強烈な拘りを感じさせていることだ。
白富士S→金鯱賞→大阪杯というローテーションは決して余裕があるわけではないが「2000mがここなのだから」と言わんばかりである。今春の目標は大阪杯だろうが、キャリア全体を通じての大目標とも言えそうだ。仮に金鯱賞で賞金を加算できなければ、大阪杯出走に黄色信号が灯る。そういった意味でも「本気度」はレイパパレよりも上だろう。
■大阪杯・大本命エフフォーリアにとっても厄介な3頭
「少し気が早いですが、この3頭が大阪杯で顔をそろえることになればハイペースは必至。順当にいけば大逃げタイプのパンサラッサがハナを切ると思いますが、それぞれの出方によっては歴史的なハイペースになるかもしれません。
一方で、自在性が売りのエフフォーリアは好位からの横綱相撲が必勝パターン。逆に(4角)9番手だった日本ダービー(G1)で唯一の敗戦を喫しているように、あまり後ろからの競馬になるのは歓迎しないでしょう。
阪神の内回りで行われる大阪杯だけに、今回もある程度のポジションは取りに行くと思います。ただ、極端な乱ペースになることだけは避けたいと思いますよ」(競馬記者)
来週の金鯱賞には、他にも昨年逃げ切りでデアリングタクトを破る大金星を挙げたギベオンや、昨年の中日新聞杯(G3)を逃げ切ったショウナンバルディもスタンバイ。本番の大阪杯へ向けて結果はもちろん重要だが、レースの主導権争いの行方にも注目したい。
(文=大村克之)
<著者プロフィール>
稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。
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