JRA「国際派トレーナー」大成功の秘密!?「ウマ娘」藤田晋氏、 所有馬が武豊鞍上で世界デビューも時間の問題か
今週末の中央競馬は3日間開催。土曜はファルコンS(G3)が行われ、日曜は阪神大賞典(G2)、スプリングS(G2)の2本立て。締めは月曜のフラワーC(G3)と重賞レースが目白押しだ。
どのレースも多数の出走馬が控えており、各馬の馬主は週末を楽しみに待っていることだろう。
その内の1人と思われるのが、大ヒット中の競馬アプリゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)でお馴染みの株式会社サイバーエージェント社長である藤田晋氏だ。
昨年JRAの馬主に本格参入した藤田氏は、4重賞のうち2重賞に所有馬が出走予定となっている。内訳はファルコンSにデュガ(牡3歳、栗東・森秀行厩舎)、そしてスプリングSにドーブネ(牡3歳、栗東・武幸四郎厩舎)で、共に武豊騎手を鞍上に予定している。
昨年のセレクトセールで高額馬を次々と落札して爆買いしたことで知られる同氏だが、現在デビュー済みの馬は5頭と意外にも少ない。しかし、その5頭全てが既に1勝以上しており、早くも馬主業でも大成功を収めつつある。
デビュー済みの馬で1番有名なのは、やはりドーブネになるだろう。2021年の千葉サラブレッドセールで約5億1700万円(税込)の超高額で落札され、デビュー前から注目を集めた好素材。その期待に応えるように新馬戦、オープン特別と連勝し、朝日杯FS(G1)へ出走するまでに至った。
しかし、ドーブネが稼いだ賞金額は現時点で2300万円ほど。高い能力を秘めていると思われるが、まだまだ自身の落札額を上回るには程遠い状況だ。
その一方で、ドーブネより安い落札価格ながら賞金を稼いでいるのが、ジャングロ(牡3歳、栗東・森秀行厩舎)である。本馬は米国の競走馬セールにて日本円で約3100万円の価格で落札されたが、現在までにオープン特別級を2勝し約4700万円も稼いでいる。
そして、藤田氏のデビュー済みの所有馬はドーブネを除いて、4頭全てがジャングロのように外国のセールで落札された馬たちなのだ。同氏が馬主で成功を収めている要因の1つは、まさに外国馬たちの活躍あってのものといっていいはず。
そんな藤田氏の成功を影で支えていると考えられるのが、ジャングロらを管理している森秀行調教師だ。
森師は藤田氏の所有馬4頭を調教師として管理する傍ら、同氏の代理で海外の競走馬セールに赴いて競走馬を購入しているのだ。もちろんジャングロら4頭も、森師が藤田氏の代理で購入した馬たちだ。森師が藤田氏の馬主業をサポートしていると言っても過言ではない。
「藤田氏が馬主を始めたキッカケも武豊騎手と思われがちですが、実は森師みたいですね。藤田氏が武騎手と会食中に森師が馬主申請書を持って現れたのが契機で、馬主になろうとなったらしいです。
そして、藤田氏の馬主業を全面的にサポートしているのですから、森師はやり手ですよね。コロナ禍で海外に渡航しづらいですが、積極的に米国などに渡って藤田氏のために走る外国産馬を競り落としていきますし。
出走馬の海外遠征も多くて、他の調教師とは一味違いますよね。ジャングロも2走前にレコード勝ちを挙げるなど能力は高いですから、順調にいけば来年に海外のスプリントG1に挑戦なんてこともありそうです」(競馬誌ライター)
かつては武豊騎手と共にシーキングザパールなどで、世界中のレースを渡った異色の国際派としても知られている森師。コロナが収まれば、武騎手が森厩舎に所属する藤田氏の所有馬で海外の大レースに出るなんてことも期待できそうだ。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……
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