GJ > 競馬ニュース > 「森秀行マジック」の真骨頂はこれだ!
NEW

JRA 「森秀行マジック」の真骨頂はこれだ! ヘヴィータンクやヨシオの“奇策”だけにあらず、“グローバルエージェント”と評価される名伯楽の馬主最優先主義

JRA 「森秀行マジック」の真骨頂はこれだ! ヘヴィータンクやヨシオの奇策だけにあらず、グローバルエージェントと評価される名伯楽の馬主最優先主義の画像1

 13日からスタートした米国のキーンランド・セプテンバーセール。全米から約4000頭もの1歳馬が集まる大規模なセールは、約2週間に渡って世界中のバイヤーによって売買される。

 昨年のフェブラリーS(G1)優勝馬モズアスコット、三冠馬コントレイルの母も出身馬となっている同セールへは、日本からは矢作芳人調教師をはじめとしたトレーナーやバイヤーが参加している。

 中でも初日から一際目立ったのが森秀行調教師だ。森師は初日4位タイとなる高額落札馬となったジャスティファイ産駒3頭を、総額約2億4400万円で落札している。

 森師はCyber Agent代表の藤田晋氏やジャスパープリンスなどを所有している加藤和夫氏、マテラスカイなどのオーナーである大野剛嗣氏をクライアントとしており、オーナー代理として参加。初日に落札した3頭もこれら得意先の所有馬となる可能性が高い。

 森師と言えば、2018年の弥生賞(G2)に未出走馬ヘヴィータンクを出走させる“抜け道“的な「出走奨励金」を獲得したことなどで知られる“策士”として知られている。また、重賞未勝利のヨシオをジャパンC(G1)とチャンピオンズC(G1)の2レースに連闘させたことで物議を醸したことでも話題を集めた。

 一方、海外の関係者は森師を高く評価しているようだ。米国の競馬情報誌「BLOOD HORSE」は森師を「グローバルエージェント」と評して、インタビュー記事を掲載している。

 森師は通訳を介し「日本馬は少し高過ぎて購入できない。(キーンランドセールは)輸送費をかけても、同じ品質の馬をより手頃な価格で手に入れることができる」と、セール参加理由を表明している。

 日本ではセレクトセールをはじめ多数のセールが毎年開催されているが、平均購買価格など年々高騰している傾向にある。そこで、森師が目を付けたのが海外のセールで馬を購入して日本で走らせることだ。

 実際、森厩舎には多くの外国産馬が在籍しており、森師曰く管理馬の約80%が外国産馬とのこと。森厩舎は外国馬が多いことを売りにしており、海外馬を求めるオーナーの多くが森師のもとへやって来るそうだ。

 また、厩舎開業当初からの特色である「海外遠征経験」もセールスポイントとしている。実際に最近では、同セールで落札したマテラスカイやフルフラットを海外のG1レースへ出走させて結果を残している。

 我々競馬ファンから見ると「森マジック」は一見、レース賞金体制の隙を突くような大胆な出走を試みているようにも見える。

 しかし、実際は海外にもしっかりと目を向け、良質で比較的安価な馬を馬主のために購入し、鍛え上げて結果を出すことが「森マジック」の真骨頂といえるのかもしれない。

(文=寺沢アリマ)

<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。

JRA 「森秀行マジック」の真骨頂はこれだ! ヘヴィータンクやヨシオの“奇策”だけにあらず、“グローバルエージェント”と評価される名伯楽の馬主最優先主義のページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

11:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
  2. 【香港C(G1)展望】BC制覇の偉業から1か月、ラヴズオンリーユー有終の美へ!レイパパレはC.スミヨンと新コンビ、最大のライバルは最高レーティングの英国馬
  3. アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
  4. パンサラッサやサイレンススズカも及ばない、天皇賞・秋(G1)史上最速ラップの歴史
  5. 東京競馬場に約20万人が殺到!? 朝6時からの大行列、怒号飛び交う陣取り合戦、そして…競馬が最も熱い時代、歴代最多入場者を記録した当時の記憶
  6. 毎日王冠(G2)リアルスティール「使い捨て」に調教師が激怒!? 「スキャンダル王」デムーロの指示無視に「いくらなんでも……」
  7. 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
  8. JRA 武豊は信頼度抜群!? 一球入魂ならぬ「一鞍入魂」の信頼度は本当か。川田将雅、横山典弘などトップジョッキーにみる「1日1鞍」限定の“勝負駆け”を探る!
  9. 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
  10. 競馬界に”2世騎手”たちが続々参入中! 息子たちは偉大なる父を超えることができるのか?