JRA武豊&トゥデイイズザデイ「危機一髪」を救ったのは、あの変わり者調教師!? あわや「約12年ぶり珍事」も、貪欲な英断に感謝の声続々
16日、中京競馬場の芝2200mを舞台に行われる梅花賞(1勝クラス)に、武豊騎手とトゥデイイズザデイ(牡3歳、栗東・池江泰寿厩舎)が出走する。
同コンビは、昨年9月の新馬戦で、後に重賞ウイナーとなるジャスティンロックを抑え優勝。武騎手も「とにかく乗り味がいい」と大絶賛したが、次走の京都2歳S(G3)では6着に敗退。予定していたホープフルS(G1)を回避して放牧に出されていた。
栗東に帰厩後は順調で、13日にはウッドで併せ馬を消化。跨った武騎手は『日刊スポーツ』の取材に「動きは相変わらずいい。前回は道中の不利もあった。仕切り直しですね」とコメント。クラシック路線に乗る上で、負けられないレースとなりそうだ。
なお5頭立ての少頭数となった梅花賞だが、週の半ばには競走不成立も危ぶまれていた。
先週末、JRAの公式サイトで発表された梅花賞の登録頭数は9頭。そのうち4頭が、同日に中山で開催される京成杯(G3)とのダブル登録で、1頭は未勝利馬。これらの馬が全て京成杯、自己条件に回った場合、梅花賞はレース成立の5頭に満たないことになる。
現に水曜時点での想定は、トゥデイイズザデイ、セレシオン、ナニハサテオキ、メイショウゲキリンの4頭のみ。頭数がそろわずにレースが不成立となったのは、2009年9月13日の新潟4Rが最後である。約12年4ヶ月ぶりとなる珍事の発生を心配する声が、方々から上がっていた。
この緊急事態を救ったのが、栗東の名伯楽・森秀行調教師だ。
出走馬が確定する13日の木曜日。登録馬のヴェローナシチー、オディロン、トゥーサンが京成杯へ、未勝利のエターナルビクトリが今週の出走を見送った中、森厩舎の管理馬であるハナキリは、京成杯を回避して梅花賞に出馬投票。その結果、同レースは5頭立てとなり、無事に競走の成立が確定した。
「トゥデイイズザデイをはじめ、出走を予定していた各陣営は胸を撫で下ろしたのではないでしょうか。1勝馬にとって、この時期にローテーションに狂いが生じるのは、クラシック出走に向けて大きな痛手となりかねません。まさに黄色信号が灯るのを、間一髪のところで回避した格好です。
過去に未出走馬を弥生賞(G2)でデビューさせたり、積極的な海外遠征など、鋭い嗅覚が光る変わり者として有名な森調教師ですが、今回はハナキリの出走によって競走が成立したことで、SNS等には、『ハナキリに感謝』『森先生ありがとうございます』『サウジダービー3連覇期待してます』といった、ファンから森調教師への感謝のコメントが多数投稿されていましたよ」(競馬誌ライター)
梅花賞はトゥデイイズザデイ以外にも、15年の桜花賞(G1)で2着に入ったクルミナルの半弟セレシオンや、前走の黄菊賞(1勝クラス)でジャスティンパレスと小差2着のメイショウゲキリンなどが出走する。少頭数とはいえ、熱い競馬が期待できそうだ。
無事に開催されることに感謝しつつ、レースの行方をしっかりと見守りたい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
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