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JRA「スパルタ」森秀行師VS「馬なり」藤沢和雄氏!? 武豊×デュガがいざG1ロードへ「調教理論」は対極も真の目的は同じ?

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武豊騎手

 19日、中京競馬場ではNHKマイルC(G1)の前哨戦ファルコンS(G3)が行われる。

 17日現在、『netkeiba.com』の予想オッズでトウシンマカオに次ぐ2番人気に支持されているのが、武豊騎乗予定のデュガ(牡3歳、栗東・森秀行厩舎)である。

 昨秋の未勝利戦、1勝クラスを連勝したデュガ。年明けは1月下旬のクロッカスS(L)からの始動を予定していたが、感冒のため出走を取り消していた。

 その後は放牧に出ることなく、すぐに体調は回復。先月11日から今週16日の最終追い切りまで、なんと6週連続で坂路51秒0以下という好時計を叩き出している。

「最終追い切りを除く5回は、その日の3歳馬による一番時計をマークしました。前半から飛ばしていき、2ハロン目か3ハロン目に最速ラップを刻む森厩舎のいつものパターンですが、ラスト(4ハロン目)をほぼ12秒台にまとめており、好調を維持しているといえるでしょう」(競馬誌ライター)

 デュガを管理する森師は、坂路を中心とした「スパルタ派」の調教師として知られている。

「森先生は、かつて『坂路の申し子』と呼ばれたミホノブルボンを育てた故・戸山為夫調教師の下で調教助手を務めていました。坂路で速い時計を出す調教も、そんな“戸山流”を汲んでいます」(同)

 一方で、「スパルタ調教」とは対極にある「馬なり調教」で知られたのが、先月いっぱいで定年引退を迎えた藤沢和雄元調教師だ。

 藤沢氏がまだ駆け出しだった1980年代。当時は、調教でも目一杯に追われ、レースさながらの時計を出すのが当たり前とされた時代だった。

 そんな日本競馬界に、藤沢氏はイギリスでの修業時代に感銘を受けた「馬なり調教」を持ち込んだ。ところが当初は周囲にもなかなか理解されず、異端児扱いされたのは有名な話である。

 そんな藤沢氏だったが、90年代に入って徐々に結果を残すと、開業から6年目の93年に全国リーディングトレーナーに上り詰めた。その後も勝利を重ね、いつしか日本全体でも馬なり主体の調教が主流となっている。

 90年代に外国産馬を中心に競馬界を盛り上げ、海外遠征にも積極的だったパイオニアの2人。そんな東西の名伯楽の「調教論」は正反対にも思えるが、真の目的は同じだという。

「藤沢先生も森先生も、第一は馬を故障させないこと。そのうえで、レースで最大のパフォーマンスを発揮させることを重視しています。

藤沢先生の場合は馬なり主体ながらも、本数は多く、追い切り前の速足散歩を交えて、馬の心肺機能を高めることに主眼を置いていました。

一方、森先生は『坂路は心肺機能を上げやすく、故障が少ない』という考えが根底にあります。坂路はコース追いに比べて、短い距離で負荷が掛けられ、時計も出すぎないため、脚元への負担が軽減されるということですね。両者とも、追い切り前後に長い時間をかけて馬を歩かせるという共通点があります」(同)

「馬なり」と「スパルタ」……。2人の調教理論は正反対にも思えるが、馬第一主義という点では同じということだ。

 90年代の競馬を知るファンとしては、藤沢氏が引退したいま、森師の皐月賞(08年キャプテントゥーレ)以来となるG1制覇に期待したくなる。デュガの始動戦に要注目だ。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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