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パチスロ「シェア奪回を目指し業界最大手が打った奇策」~4号機名機伝説~ 『イヴX』編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.89】

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4号機名機伝説~ 『イヴX』編

 4号機時代の初頭のパチスロ市場は、累計販売台数23万という史上空前のメガヒットを記録した『ニューパルサー』を筆頭に、山佐のマシンが圧倒的なシェアと人気を誇っていた。

 競合他メーカーは、様々な新機軸を盛り込んだマシンを意欲的にリリースするもまったくもって歯が立たず、「4号機パチスロは2種類。ニューパルサーと、それ以外」とさえ言われた。

 そんな情勢に誰よりも地団駄を踏んでいたのは、他でもない。グループ傘下に3ブランドを擁するパチスロ業界最大手メーカーのユニバーサルである。

 1993年春にリリースされた同社初の4号機『トロピカーナ』は、伝統ネーミングを冠した史上初のBタイプということで注目を集めた。

 続いて同年夏には快速集中役「ベルラッシュ」を出玉獲得の主役に据えたA‐C機『ソレックス』を、そして秋には伝説の連チャン機『コンチネンタル』を彷彿とさせる仕様のAタイプ機『オリエンタルⅡ』をリリースするなど、ご自慢の開発力を駆使して矢継ぎ早に新作を市場に送り込んだ。

 しかし、怪物マシン『ニューパルサー』の圧倒的な勢力を前に、いずれのマシンも苦戦を強いられてしまう。

 そもそも、『ニューパルサー』が当時の4号機市場で圧倒的な支持を受けた要因は2つ。打ち手を選ばぬオーソドックスな仕様とスペック、そして「大量リーチ目」である。

 いずれも、1号機の頃から脈々と受け継がれ醸成されてきた、山佐のマシンの伝統。つまりは、「変わらない安心感」がファンに支持されたのである。

 ともかく、『ニューパルサー』のヒットは4号機のひとつの方向性を決定づけたわけで、シェア奪回を目指すユニバーサルも「大量リーチ目」をゲームの主軸に据える方向にシフト。その試金石となったのが、1994年春にメーシー販売からリリースされた『イヴX』である。

『イヴX』

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 下パネルには、妖艶な笑みでプレイヤーを誘う女性。そしてリールに描かれたのは「リップ」や「ハイヒール」、「貴婦人」、「バタフライ」、「アイ」といったパチスロでは前例の無い絵柄たち。リリース当初は、ゲーム性云々以前にその奇抜すぎるデザインが話題と注目を集めた。パチスロ「シェア奪回を目指し業界最大手が打った奇策」~4号機名機伝説~ 『イヴX』編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.89】の画像3  仕様は、『オリエンタルⅡ』に次ぐユニバーサル系4号機としては2作目となるAタイプ。スペックは超ビッグ偏向型だった前作と打って変わって、両ボーナスがバランスよく配分された連チャン指向の強い確率配分となっていた。パチスロ「シェア奪回を目指し業界最大手が打った奇策」~4号機名機伝説~ 『イヴX』編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.89】の画像4
 さて、肝心のリーチ目だが、当初メーカー発表では「総数200種類以上」などと謳われた。しかし、それは誇張すぎた感があった。

 本作のリール制御は、当時、山佐以外のメーカーで広く使われていた、いわゆるコントロール方式と呼ばれるもの。

 まず、左リールには状態や成立フラグに応じて停止位置やスベリコマ数が指定されたテーブルがあり、それに従ってリールが停止。

 残る中→右リールは、成立役や押した位置によってランダムにスベったり、あるいは対象となる絵柄を引き込んで揃えるなどの処理を行う。

 ボーナス成立時、7やBARを揃えられない位置でボタンを押すと、ボーナス絵柄の代用として指定されている特定の絵柄の組み合わせを揃えることで、結果としてそれがリーチ目となるわけだ。

 リーチ目のバリエーションは、3号機『コンチネンタルⅢ』と同様、特定絵柄の一直線型のみ。緻密なテーブル式リール制御によって総数千数百もの出目を生み出す山佐のそれとは、似て非なるものだったのである。

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リーチ目となる絵柄の組み合わせは8パターン。上段・中段・右上がりのみ有効で、組み合わせ総数は46種類となる。

 加えて、本作のリーチ目は必ずしも鉄板というものではなく、引き込みの悪い小役を取りこぼした場合にも停止。また、当時のユニバーサル系マシンは「左→中→右」の順押しが原則で、それ以外の押し順で停止した場合もNGとなった。

 山佐系大量リーチ目マニアにとっては物足りない仕上がりだったわけだが、個人的には必要にして充分なものだったし、何より高い合成確率が生み出すナチュラルな連チャン性が爽快で、お気に入りの1台だった。

 ぜひともアクロスブランドで復刻してもらえないものかと、常々、思っている次第である。

(文=アニマルかつみ)
〈著者プロフィール〉
兵庫県尼崎市出身。1992年春にパチスロ必勝ガイドのライターとなり、以来30年にわたってメディア人の立場から業界の変遷を見つめてきた大ベテラン。ぱちんこ・パチスロの歴史に関しては誰にも負けない博識を持つ。最近ではYouTube動画チャンネル「ぱち馬鹿」のメンバーとして、各種企画の制作や出演、生配信などにも精を出している。ライター稼業のかたわら、ロックバンドのベースプレイヤーとしても活動中。愛猫家。昭和レトロ好き。
■Twitter(@anikatsu213):ANI-Katsu(アニマルかつみ)

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