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JRAセリフォス&ダノンスコーピオン勝率3%以下の絶望……NHKマイルC(G1)「2強」に立ちはだかるローテの壁

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セリフォス 撮影:Ruriko.I

 先週末の天皇賞・春(G1)は、2番人気タイトルホルダーが圧勝。2着に1番人気ディープボンドが入り、馬連配当は520円という平穏な決着に終わった。

 今週からは東京競馬場で5週連続のG1開催。その第1弾が8日に行われるNHKマイルC(G1)である。3歳マイル王を決める一戦も、上位人気馬同士による決着となるのだろうか。

 3日現在、『netkeiba.com』が公開している予想オッズでは、セリフォス(牡3歳、栗東・中内田充正厩舎)とダノンスコーピオン(牡3歳、栗東・安田隆行厩舎)が単勝5倍を切る人気を集めている。昨年12月の朝日杯フューチュリティS(G1)で2、3着に好走した両馬をひとまず“2強”と称してもいいだろう。

 セリフォスはデビューから4戦すべてがマイル戦で3勝、2着1回と準パーフェクトの成績を残している。一方のダノンスコーピオンは5戦のうち3戦がマイルで、残り2戦が1800m戦。これまでの走りを見る限り、現状はマイルがベターか。

 血統的に見ても、ともに将来の主戦場はやはりマイルに落ち着く可能性が高いだろう。

 セリフォスの父ダイワメジャーは現役時代にG1を5勝したが、うち3勝をこの距離で挙げている。その産駒もやはりマイラー色が強く、3頭(12年カレンブラックヒル、16年メジャーエンブレム、19年アドマイヤマーズ)がNHKマイルCを制している。

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ダノンスコーピオン 撮影:Ruriko.I

 一方、ダノンスコーピオンの父は最強スプリンターの異名を取ったロードカナロア。種牡馬としては、アーモンドアイなど中距離をこなす大物も出しているが、総体的に見ると、やはりマイラー寄りの短距離馬が多い。

「両種牡馬とも、産駒は仕上がりが早く、2歳戦から1600mを中心に活躍する馬を多数輩出しています。この時期(3歳春)の完成度という点でも、2頭はやや抜けている存在といっていいでしょう」(競馬誌ライター)

 ただし、両者が大きく異なるのは、そのローテーションだ。セリフォスは朝日杯FSから約4か月半ぶりの直行。一方、ダノンスコーピオンはその4か月半の間に2戦し、前走のアーリントンC(G3)からは中2週という短い間隔で臨む。

血統とローテに致命的な欠陥が

 

 そんな両者のローテーションを血統的な視点で見ると、必ずしも“2強安泰”とは言えなくなる。

【ダイワメジャー産駒のレース間隔別通算成績、重賞のみ】
連闘~中2週 → 161戦6勝(勝率3.7%)
中3~中16週 → 618戦36勝(勝率5.8%)
中17週以上  → 36戦1勝(勝率2.8%)

【ロードカナロア産駒のレース間隔別通算成績、重賞のみ】
連闘~中2週 → 84戦2勝(勝率2.4%)
中3~中16週 → 309戦43勝(勝率13.9%)
中17週以上  → 23戦6勝(勝率26.1%)

 ここでは両種牡馬の産駒の重賞レースだけをピックアップし、前走からの間隔を中2週以下、中17週(約4か月)以上の休み明け、そしてその中間の3つに分類し、それぞれの勝率を調べた。

 大きく違うのは休み明け時の成績だ。ダイワメジャー産駒は勝率2.8%と苦手にしているのに対し、ロードカナロア産駒は勝率26.1%。久々を苦にするどころか味方につけていることが分かる。

 一方で、ともに中2週以下のやや詰まったローテーションでは力を出し切れていない。特に間隔が空けば空くほどいいロードカナロア産駒は勝率2.4%と、明らかにパフォーマンスを落とす傾向にある。

 これをセリフォスとダノンスコーピオンに当てはめると、前者が朝日杯FSから約4か月半(中19週)、後者は中2週での参戦。データ的にはともに凡走パターンに合致する。

 休み明けと詰まった間隔。対照的ではあるが、人気2頭に「ローテーションの壁」が立ちはだかれば、今年の3歳マイル王決定戦は、波乱必至の情勢といえるだろう。

 先週はタイトルホルダーとディープボンドの両雄が並び立ったが、今週は両雄並び立たずどころか、共倒れがあっても不思議はない。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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