
JRA「低レベル」武豊ジャングロに「使い捨て」ダノンスコーピオン…混戦模様のNHKマイルC(G1)好調続く“棚ボタ男”もルメール不在が運の尽き?

今週末、東京競馬場で8日に行われる3歳マイル王決定戦のNHKマイルC(G1)。混戦と見られる日本ダービー(G1)と同じく、確たる主役が不在の状況だ。
『netkeiba.com』が公開している単勝予想オッズでは、2日現在でセリフォスが1番人気。これに続いて2番人気にダノンスコーピオン、3番人気インダストリア、4番人気ジャングロ、5番人気マテンロウオリオンまでが一桁台のオッズとなっている。
6番人気プルパレイが、上位人気馬から大きく離されていることを考えれば、下馬評としては、5強による争いが濃厚と考えられているようである。
しかし、各馬にそれぞれ不安があることもまた事実だ。
アーリントンC(G3)を制したダノンスコーピオンの勝ち時計1分32秒7は、桜花賞(G1)の1分32秒9やその前日の阪神牝馬S(G2)の1分32秒8と遜色ない好タイム。いずれも良馬場での開催だったことを思えば、十分にハイレベルだったといえるだろう。
ところが、NHKマイルCも視野に入れた共同通信杯(G3)では、いいところなしの7着に大敗。当時の追い切りで川田将雅騎手が「間に合っていない」と評したように、仕上がり面での不安はあったものの、東京コースの適性には不安が残った。
また、武豊騎手や横山典弘騎手が騎乗を予定しているジャングロやマテンロウオリオンにしても、前走はG3降格の危機でも話題に上がったニュージーランドT(G2)組。4年前の2018年にこのレース2着から本番で穴を開けたケイアイノーテックがいるとはいえ、同年にトライアルレースになったアーリントンC組に押されているのが現状だ。
弥生賞ディープインパクト記念(G2)から挑むインダストリアにしても、上位馬とは力差を感じる5着。2歳王者ダノンザキッドに先着し、タイトルホルダーの2着に入ったシュネルマイスターに比べるとスケール感で見劣りは否めない。
となると、必然的にセリフォスに期待したくなるのだが、こちらは昨年12月の朝日杯フューチュリティS(G1)で2着以来、約5か月ぶりの休み明け。初の東京コースでも頼りになるのはNHKマイルCで最多3勝を誇る父ダイワメジャーの血だろうか。
好調続く“棚ボタ男”もルメール不在が運の尽き?
だが、最大の割引材料は、もしかしたら1番人気の支持が濃厚なことかもしれない。
話題として今更感すらある波乱が続く今春のG1戦線だ。3月末の高松宮記念から先週の天皇賞・春まで1番人気馬が未勝利のまま5連敗中。2月のフェブラリーSまで含めて6連敗という深刻ぶり。
救いがあるとすれば、鞍上の福永祐一騎手がその内で2勝を挙げて好調なところだが、フェブラリーSのカフェファラオは2番人気で、皐月賞のジオグリフも5番人気だった。
さらに2頭の共通点は、主戦のC.ルメール騎手から思わぬ実力馬が回って来るラッキーに恵まれていたこと。今回のセリフォスも初コンビではあるが、ルメール騎手からの「棚ボタ」ではないことは見逃せない。
お手馬不在の状況でもこういった馬の騎乗依頼が、G1の大舞台で回って来る福永騎手への信頼や、それに結果で応えた手腕も称賛に値する。
とはいえ、もしこのまま当日も1番人気で迎えるようなら、ルメール騎手のお手馬以外の馬に騎乗するNHKマイルCで、ここまで続いていた幸運が尽きる可能性も十分にありそうだ。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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