JRA C.ルメール「騎乗停止」疑惑に冷や汗……日本ダービー(G1)イクイノックス騎乗消滅の危機回避も、一部ファンからは「忖度」の声
15日、東京競馬場で行われたヴィクトリアマイル(G1)で2着と、大きな見せ場を作ったC.ルメール騎手。今年ここまでJRAの重賞勝ちがないなど不調が囁かれているが、前日の京王杯スプリングC(G2)でも2着するなど、ようやく5年連続リーディングジョッキーの安定感が戻ってきた印象だ。
自身が新型コロナウイルスに感染し、今度は夫人が感染して濃厚接触者になるなど、出遅れの春シーズンとなっているルメール騎手。しかし、まだまだ大事なビッグレースが続くだけに、ここからの巻き返しが大きく期待される。
そんなフランス人騎手だが、ヒヤリとする出来事があった。
あわやイクイノックスに乗れない可能性が…
この日、ルメール騎手にとって初騎乗となった東京3Rの3歳未勝利。騎乗馬のソングフォーマーヤはまずまずのスタートを決めると、1枠1番を活かして最内の好位へ。最後の直線を迎えると抜群の手応えで先頭集団に並びかけ、あとは逃げ粘るエコロデュエルを交わすだけと思われた。
だが、ここで進路を失うアクシデントに陥ってしまう。
最内の進路を選択したルメール騎手だったが、前を走るエコロデュエルを交わそうにも、隣にいたサトノジークが外への進路をガッチリとマーク。行き場を失ってまともに追えないままの時間が過ぎていく。
結局、ルメール騎手は一瞬サトノジークが遅れ気味になったところで半ば強引に進路を確保。最後は上位馬に迫ったが、3着までが精一杯だった。
「正直、ちょっと強引な進路取りに見えました。サトノジークの川田将雅騎手が一瞬手綱を引くシーンもありましたし、振り返ったルメール騎手も『やってしまった』と思ったのではないでしょうか。
幸い、後に(10万円の)過怠金処分が発表されて事なきを得ましたが、サトノジークにもう少し手応えが残っていれば、騎乗停止になってもおかしくなかったと思います」(競馬記者)
レース直後、この結果にはネット上の競馬ファンも即座に反応。「騎乗停止案件」「ルメール、やっちまったな」「これはアウトだと思う」など、やはりルメール騎手の騎乗停止を意識した声が続々……。
その後、しばらくしてJRAから騎乗停止ではなく過怠金処分の発表があると、今度は「騎乗停止」というワードがトレンド入りする事態に。中には、ルメール騎手に対するJRAの「忖度だ」という声もあった。
「仮にルメール騎手が騎乗停止処分を受ければ、皐月賞(G1)2着のイクイノックスに騎乗予定の日本ダービー(G1)に乗れなくなってしまうところでした。正直、非常に微妙な案件で、ルメール騎手が騎乗停止になってもおかしくなかったと思いますし、ファンが忖度を意識する気持ちもわかります。
ただ、前を走っていたエコロデュエルがフラフラしていたことも事実ですし、被害馬のサトノジークにもほとんど脚が残っていないようにも見えました。危険な騎乗だったことは確かですが、そういった事情が加味されて過怠金処分に留まったということなのでしょう」(別の記者)
もし、ルメール騎手が騎乗停止によって日本ダービーで騎乗できないとなれば、2019年以来の事態になるところだった。
当時、ルメール騎手が日本ダービーで騎乗を予定していたのは、無敗の4連勝で皐月賞(G1)を制したサートゥルナーリアだ。ディープインパクト以来の無敗三冠の声も高まる最中だったが、ルメール騎手がNHKマイルC(G1)でまさかの斜行……。レース後、JRAからは開催日16日間の騎乗停止という非常に重い処分が下った。
この事態にルメール騎手の代役として白羽の矢が立ったのが、D.レーン騎手だ。しかし、サートゥルナーリアは日本ダービーで単勝1.6倍の大本命に推されたものの、初騎乗ということもあってか、スタートで出遅れてしまい4着に敗れている。
今月、約2年ぶりにレーン騎手が短期免許で参戦していることもあって、SNS上でもサートゥルナーリアの悲劇を思い出したファンも少なくなかったようだ。辛うじて悲劇の再来を回避したルメール騎手だが、ファンにとっては“疑惑の判定”となってしまった。
(文=銀シャリ松岡)
<著者プロフィール>
天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。
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