JRA武豊&幸四郎、横山親子、吉田兄弟……オークス(G1)はファミリー入り乱れ!? 最も“ハイ”な戦いは桜花賞で「因縁」アノ義理の親子?
競馬はしばしば「ブラッドスポーツ」と呼ばれるが、それは競馬界を取り巻く“人間”にも当てはまる。JRAでも兄弟騎手や親子騎手、兄弟調教師なども少なくない。親戚関係にまで対象を広げれば、むしろ血縁関係がない関係者の方が少ないくらいかもしれない。
22日に行われるオークス(G1)も、そんな競馬界の“ファミリー”が敵味方に入り乱れての一戦となりそうだ。
最大の注目は、騎手時代にはライバル同士で相まみえた武豊騎手と武幸四郎調教師の兄弟タッグだろう。阪神JF(G1)と桜花賞(G1)では、あと一歩及ばなかったウォーターナビレラだが、兄弟タッグ「三度目の正直」でG1制覇を狙う。
武兄弟以外の“ファミリー”は、すべて騎手同士もしくは調教師同士。つまり、敵味方に分かれて戦うことになる。
横山ファミリーに、吉田兄弟…そして
まず横山典弘騎手と和生・武史兄弟による親子対決。G1レースで3人がそろうのはNHKマイルC(G1)に続き今年2度目だ。2週前は父・典弘騎手が最先着の2着に健闘したが、今回は息子2人の奮起にも期待したい。
吉田豊・隼人兄弟もG1では今年2度目の直接対決を果たす。前回の桜花賞では、パーソナルハイに騎乗した兄・豊騎手がハナ差でベルクレスタ騎乗の弟・隼人騎手に先着。今回はそろってさらに上の着順を目指す。
他にも高柳瑞樹・大輔兄弟がG1の大舞台で初顔合わせ。スターズオンアースで2冠を狙う兄・瑞樹調教師に、伏兵サウンドビバーチェを送り出す弟・大輔調教師が挑む構図だ。
このように複数のファミリーが入り乱れる今年のオークスだが、密かにヒートアップしそうなファミリー対決がもう1組ある。矢作芳人調教師と田中克典調教師の「義理の親子」対決である。
ご存じの方も多いと思うが、矢作師の娘はグリーンチャンネルのパドック進行などでもお馴染み、キャスターの矢作麗さん。その麗さんと20年秋に結婚したのが田中克師である。
実はこの義理の親子対決は、すでに桜花賞でも実現済み。矢作師がパーソナルハイを、田中克師はピンハイをそれぞれ送り込み、壮絶な5着争いをピンハイがハナ差で制している。
「壮絶な」という言葉を聞いて思い出したファンもいるだろう。桜花賞の最後の直線で見せた両馬の攻防はすさまじかった。
ともに前が壁となり、外に進路を取りたいピンハイが馬体を何度もパーソナルハイにぶつけたあのシーンだ。審議にこそならなかったが、ピンハイに騎乗した高倉稜騎手は外側に斜行した件について過怠金5万円が科されている。
もちろん矢作師と田中克師は立場上、レース中は愛馬を見守ることしかできない。それでも義理の親子による壮絶な5着争いには普段以上に熱くなったのではないだろうか。
その後、桜花賞5着でオークスの権利をもぎ取ったピンハイは直行、パーソナルハイはフローラS(G2)2着で改めて権利獲りに成功し、大舞台で2度目の対決を迎える。
奇しくもオークスでは同じ7枠に収まったピンハイとパーソナルハイ。桜花賞での因縁もあるだけに最も“ハイ”なファミリー対決になりそうだ。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。
PICK UP
Ranking
23:30更新- ジャスティンミラノを大幅に上回った「期待の良血」がG1に向けて出陣! C.ルメールに替わる新パートナーは「初制覇」のチャンス到来?
- 【激走候補5頭】J.モレイラ不在の週末は波乱必至!? 大荒れ実績十分福島牝馬S(G3)&フローラS(G2)【週末重賞ピックアップ】
- JRA「隠れ最強馬」が待ちに待った戦列復帰…ジャスティンミラノに引け取らない実力、令和の「マツクニローテ」再現あるか?
- 【NHKマイルC】川田将雅ジャンタルマンタル参戦で浮上した「鞍上問題」…陣営と繋がり強い「三冠騎手」が有力候補? その背中に跨るのは
- 「ルメールショック」が木村哲也厩舎に直撃?桜花賞に続き皐月賞も人気馬が凡走…主戦騎手不在で「13連敗」の急ブレーキ
- 【フローラS】「批判覚悟の出走」が1000万馬券の大波乱を演出!除外された武豊の超良血は幻のG1馬に…「東京マスター」菅原明良と挑む渾身の権利獲り
- 「ルメールショック」が木村哲也厩舎に直撃? 福永祐一厩舎「G1出走権獲得」に胸中複雑!? ジャンタルマンタル、NHKマイルC(G1)大本命に急浮上!?【週末GJ人気記事ぶった斬り!】
- コスモキュランダ次走ダービーも「鞍上未定」の怪…J.モレイラ続投が決まらない理由に「身元引受調教師」の影響も?
- セリフォス、ナミュールも不安?2024年マイル戦線は異常事態!マイラーズCは“安田記念を見切った格下馬”の激走に要注意!
- 「注目のルーキー」吉村誠之助が狙う重賞初騎乗V!武幸四郎の快挙から27年…人気薄でも侮れないコンビ
関連記事
JRAオークス。武豊ウォーターナビレラに400mの壁?桜花賞馬スターズオンアース、川田アートハウス、横山武史ナミュールを上回る意外な本命穴馬!
JRA武豊エアグルーヴ以来のオークス(G1)制覇へ、ウォーターナビレラの「成長力」に期待。「早熟説」のデビュー3連勝馬が伸びしろ十分の理由
JRAオークス(G1)武豊「まともだったらひょっとした」のモヤモヤから14年…「普通のレースなら文句なしに降着」とまで言われた池添謙一の大斜行
JRAオークス(G1)川田将雅「致命的」な選択ミス!? 桜花賞組の優位動かず…アートハウスに「足りないもの」とは何だったのか
JRAオークス(G1)今週も続く「前残り警報」はノーマーク厳禁! 18番人気でも残れた超スローの元凶…「消極騎乗」不可避で絶対に狙いたいアノ馬