JRAオークス(G1)今週も続く「前残り警報」はノーマーク厳禁! 18番人気でも残れた超スローの元凶…「消極騎乗」不可避で絶対に狙いたいアノ馬
22日、東京競馬場で行われる牝馬クラシックの第2弾となるオークス(G1)。桜の女王に輝いたのは、川田将雅騎手がコンビを組んだスターズオンアースだった。
ただ、当時の阪神コースは、内外の有利不利が顕著な馬場状態。よほど力が抜けた馬でもないと、止まらない先行勢を差し切ることは難しい状況だったといえる。勿論、スターズオンアース自身の力があっての勝利ということに異論はないが、道中のロスを最小限に留めて馬群を抜けてきた川田騎手の好騎乗が目についた。
桜花賞(G1)に臨むまでのレースで後塵を拝した馬が複数出走していたこともあり、当日は7番人気の伏兵評価。馬より騎手が目立った戴冠に、絶対女王のインパクトを感じられなかったのもやむなしだろう。
マイル戦の前走から距離が一気に4ハロン延長する東京の芝2400mの舞台。出走する各馬の適性や得意不得意も顕著に表れそうな雰囲気である。
だが、その前に桜花賞で外枠に入って敗れた上位人気馬たちの巻き返しも必至。1番人気で10着に大敗したナミュールは、鋭い末脚が武器の差し馬だけに、直線も長く広いコースに替わることは大歓迎となるはず。
4着サークルオブライフも絶望的な位置取りに思える直線15番手から豪脚を繰り出した。11着に敗れたプレサージュリフトにしても、2月に行われた東京のクイーンC(G3)でスターズオンアースを差し切っており、不気味な存在となりそうだ。
その一方、ここまで挙げた人気を裏切った馬たちが、揃いも揃って差し馬であることには注意したい。
というのも、先週のヴィクトリアマイル(G1)で、各馬の騎手が消極策を採ったことにより、18番人気ローザノワールがアッと驚く激走を演じたばかりだからだ。
マイル戦ということもあり、それなりにペースが流れると思われたが、芝1800mの重賞1勝をしているだけのローザノワールが楽々とハナを取り切れる展開だった。
戦前に先行争いも予想された2番人気レシステンシアが、2番手に控えただけでなく、1番人気レイパパレも川田騎手としては弱気な3番手の追走。前者はハイペースが仇となった高松宮記念(G1)の教訓を生かしたと考えられ、後者はスタートで躓きながらリカバリーしたビハインドも大きかったか。
そういう意味では、内の4番手につけたソダシにとって、何もかもがお膳立てをされた状況。最後の直線で3番人気ファインルージュが、クリノプレミアムに進路を塞がれる致命的な不利を受けたことも“幸運”だったといえる。
前後半34秒7-34秒2という、G1レースにしては超スローの勝ち時計1分32秒2(良馬場)は、1分30秒5(ノームコア)、1分30秒6(アーモンドアイ)、1分31秒0(グランアレグリアと続いた過去3年から大きく見劣った。
「消極騎乗」不可避で絶対に狙いたいアノ馬
それぞれ馬場状態の違いはあったにせよ、G1馬が5頭も揃った割に物足りなさを感じた原因ではないだろうか。
これらを踏まえて、今年のオークスに登録しているメンバーを見渡してみると、今週もまた超スローとなる可能性が高いことに気付く。先行タイプは何頭かいるものの、前走で逃げた馬はラブパイローとパーソナルハイの2頭しかいない。
前者は1勝クラスを勝ちあがったばかりのため、おそらく地力に勝るパーソナルハイのハナが濃厚。そして同馬に騎乗を予定している吉田豊騎手は、パンサラッサとのコンビで再ブレイクした腕利きだ。
昨年の赤松賞(1勝クラス)でスターズオンアースに先着してナミュール相手の2着。フローラS(G2)で苦杯を嘗めさせられた相手エリカヴィータは、田辺裕信騎手から福永祐一騎手への乗り替わり。単騎逃げに持ち込めれば、善戦可能な下地は揃っている。
思い返せば、1997年にメジロドーベル、2002年にスマイルトゥモローでオークスを制したのも吉田豊騎手。後ろの有力馬ばかりに気を取られていると、ソダシの吉田隼人騎手に続く吉田兄弟のG1連勝もあるかもしれない。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。
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