JRA関東のベテランが「丸7ヶ月」勝ち星なしの絶望……久々の1番人気も「210連敗」、乗り替わった馬が激走のダブルパンチ
21日に行われた東京2R・3歳未勝利(ダート1300m)は、田辺裕信騎手の3番人気ニシノフウジンが優勝。最内枠からコースロスなく立ち回り、デビュー12戦目で待望の初白星を挙げた。
レース後、田辺騎手は「思ったよりダッシュはつかなかったが、上手く挽回できた。直線もロスなく捌けました」とコメント。初勝利までにやや時間を要したが、ここからの伸びしろに期待だ。
一方、ハナ差で2着に敗れたのが、武士沢友治騎手が騎乗した1番人気のオーロラアーク(牝3歳、美浦・石栗龍彦厩舎)だ。
今年デビュー26年目を迎えたベテラン44歳の武士沢騎手だが、実は昨年10月の2歳新馬をペイシャフェリシテで勝利してから丸7ヶ月間勝ち星がなく、ここまでまさかの202連敗……。
今回は、4月初旬に行われた3歳未勝利のペイシャワキア以来、約1ヶ月半ぶりに1番人気馬に騎乗。連敗街道にピリオドを打つチャンスが到来していた。
フルゲート16頭のレース。武士沢騎手とオーロラアークは1枠2番から抜群のスタートを決めたが、3コーナーで前に逃げ馬に入られてしまったため、やや窮屈なインの3番手に収まる。
そのまま最後の直線に入り、武士沢騎手は馬を外へ持ち出したが、その際に前を走っていた馬がやや壁になるロス。最後は人馬が開けた内目の進路から伸びてきたニシノフウジンと叩き合いになり、わずかハナ差で涙を飲んだ。
「追い出しをもうワンテンポ遅らせて内目から抜け出す選択肢もあったように思いますが、そこはしばらく勝てていないことからくる焦りでしょうか。結果的には外に持ち出す際のロスが、最後のハナ差に響いた格好です」(競馬誌ライター)
千載一遇のチャンスを逃してしまっただけに、レース後のSNSやネット掲示板には「勿体ない……」「騎手の差が出たなあ」など、武士沢騎手の騎乗ぶりを惜しむ声も出ていた。
乗り替わった馬が激走のダブルパンチ
だが、武士沢騎手の悪夢はこれで終わることはなかった。
続く東京3Rの3歳未勝利戦(ダート1400m)。デビュー戦からコンビを組み続けるキタノブレイドと、ここ4走で手綱を執っているペイシャワキアというお手馬2頭の出走が重なったこともあってか、後者の方に騎乗。
スタートでやや後手を踏むと、後方4番手からの競馬。3、4コーナー中間から大外を回って進出していったものの、最後は脚が一杯になり4着に敗れた。
一方、木幡巧也騎手に乗り替わったキタノブレイドは、先団を見る形で好位5、6番手を追走すると、直線スムーズに抜け出して見事に優勝。乗り替わった元お手馬にまさかの激走を決められてしまった。
「武士沢騎手にすれば前走着順の良いペイシャワキアの方を選んだのかもしれませんが、不運でしたね」(同)
この日の武士沢騎手は、10Rの高尾特別(2勝クラス)でも3着に入る奮闘を見せたものの、最終的に白星を挙げることはできず。翌22日も全3鞍で敗れたため、連敗記録は現在のところ210にまで伸びている。
トウショウナイトやマルターズアポジーとのコンビで重賞戦線を賑わせ、玄人好みの騎手としても知られる同ジョッキー。早期の連敗ストップと共に、オーロラアークとペイシャワキアの巻き返しにも期待したい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
PICK UP
Ranking
11:30更新- ジャスティンミラノを大幅に上回った「期待の良血」がG1に向けて出陣! C.ルメールに替わる新パートナーは「初制覇」のチャンス到来?
- 【フローラS】「批判覚悟の出走」が1000万馬券の大波乱を演出!除外された武豊の超良血は幻のG1馬に…「東京マスター」菅原明良と挑む渾身の権利獲り
- 「ルメールショック」が木村哲也厩舎に直撃?桜花賞に続き皐月賞も人気馬が凡走…主戦騎手不在で「13連敗」の急ブレーキ
- 【NHKマイルC】川田将雅ジャンタルマンタル参戦で浮上した「鞍上問題」…陣営と繋がり強い「三冠騎手」が有力候補? その背中に跨るのは
- セリフォス、ナミュールも不安?2024年マイル戦線は異常事態!マイラーズCは“安田記念を見切った格下馬”の激走に要注意!
- JRA「隠れ最強馬」が待ちに待った戦列復帰…ジャスティンミラノに引け取らない実力、令和の「マツクニローテ」再現あるか?
- コスモキュランダ次走ダービーも「鞍上未定」の怪…J.モレイラ続投が決まらない理由に「身元引受調教師」の影響も?
- JRA横山典弘「再登板」もファンの胸中は複雑!?ソダシでも主戦騎手が降板の過去…「騎乗批判疑惑」で物議醸したコンビが復活
- タガノエルピーダ×M.デムーロ「新タッグ」でオークスヘ!「タイトルを獲得したいものと夢見ております」悲願の初G1制覇目指す名オーナーの希望となれるか
- 【福島牝馬S(G3)展望】今年「50戦0勝」騎手が本命馬に騎乗!? リバティアイランドに迫った実力を示せるか
関連記事
JRA【日本ダービー(G1)展望】イクイノックスVSダノンベルーガVSドウデュースVSジオグリフ! 3歳牡馬「四天王」が競馬の祭典で激突!
JRA【葵S(G3)展望】骨折明けでも「ジオグリフと遜色ない動き」コラリンVS「ウイン軍団」2騎! 未来の“名スプリンター”が勢ぞろい!?
JRA全面協力アニメ『群青のファンファーレ』が大コケ!? 『ウマ娘』の対抗馬として4月からスタートも、「話題」を殆ど耳にしないワケ
武豊「痛かった」致命的な不利に審議も制裁もなし……。元JRA藤田伸二氏「制裁がなかったらおかしい 」、C.ルメール「騎乗停止」疑惑に冷や汗……【週末GJ人気記事ぶった斬り!】
驚異の「勝率40%」…春の府中で吹き荒れる横山典弘旋風!「ポツン」の真意を知る若き新鋭とのタッグは要注意