
JRA全面協力アニメ『群青のファンファーレ』が大コケ!? 『ウマ娘』の対抗馬として4月からスタートも、「話題」を殆ど耳にしないワケ
今年4月に累計ダウンロード数がついに1400万を突破。公開から1年以上が経過した今なお衰えることを知らない、大ヒット競馬アプリ『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)。
先日はプロ野球・中日ドラゴンズの元監督で、「オレ流」こと落合博満氏が、自身の公式YouTubeチャンネル『落合博満のオレ流チャンネル』内にて、同作品について言及したことでも話題となった。
そんな『ウマ娘』に続く競馬作品であり、対抗馬としても期待されつつ今年4月に放送がスタートしたのが、競馬学校を舞台にしたオリジナルアニメ『群青のファンファーレ』(TOKYO MXほか)だ。
同作品は昨年8月、『BSイレブン競馬中継』(日本BS放送)の放送内においてティザームービーをいち早く公開。制作にはJRAが全面協力しているということでも話題となった。
人気アイドルグループに所属する主人公の有村優が、惜しまれながらも芸能活動を休止し、競馬学校に入学するところからストーリーは始まる。個性豊かな同期生たちと共に、プロのジョッキーを目指していく青春群像劇である。
先週14日に放送された第7話で、入学から1年間のカリキュラムが終了し、騎手候補生たちは東西のトレーニングセンターへと配属されることに。21日からは、いよいよ新章となる「トレセン編」がスタートする予定となっている。
そんな手に汗握る『群青のファンファーレ』だが、なぜか競馬ファンの間からは「まったく話を聞かない」など、評判があまり芳しくない。「すぐに見るのをやめてしまった」といった声も上がっている。
ファン待望の競馬アニメが…
「第1話では校内でとある事故が発生して2頭が放馬。新入生の1人が1頭を捕まえると、主人公と2人乗りしてもう1頭を確保しにいくシーンがありました。普通、競走馬を2人乗りすることはありませんし、緊急のこととはいえ、新入生がヘルメットもプロテクターも装着していないなど、競馬ファンから見るとツッコミどころもだいぶ多かったようですね。
また、続く第2話では授業の一環で日本ダービー(G1)を見学しに行きますが、出走馬のゼッケンの色が白ではなく、青色。JRAの全面協力ということで「リアリティ」を追求した競馬作品を期待していたファンも多かったようで、このあたりで興味がなくなってしまった人もいたでしょうね」(競馬誌ライター)
一方で、本作には美男子キャラクターが多数登場するため、女性やアニメファンからの評価は期待できそうである。
しかし、ニコニコのアニメ総合情報サイト『Nアニメ』(DWANGO)内で行われてる今期アニメランキングでは30位付近をうろついており、今のところ期待通りの支持を得られているとは言えないようだ。
過去には、視聴者がやや置いていかれてしまうシーンもあったようだ。
作品に登場する騎手候補生の1人は、厳しい体重制限を前に、競馬学校を退学することを決意。騎手課程では年齢によって定められた体重を維持しなければならず、減量を苦に辞めていくケースは、実際の競馬学校でもよく見られる光景である。
しかし、普段競馬を見ることのない人にすれば、そんなこと知る由もない。にもかかわらず作品内ではそのような競馬学校のルールについての説明がほとんど無いため、視聴者のSNSなどからは「なぜ退学するのかわからない」といった声も上がっていたという。
「競馬ファンの支持を得るのであれば、もう少しリアリティを求めたほうがよかったでしょうし、アニメファンに向けてキャラクターを推したいのであれば、競馬学校を舞台にせず普通の学園にしたほうが分かりやすかったようにも思われます。
結果的にどっち付かずの状況となってしまい、現時点でどちらのファン層からもそこまで高い支持を得られていないことが、もうひとつ話題性を欠いている理由として考えられるでしょうか」(同)
そんな『群青のファンファーレ』ではあるが、先述の通り最新の8話からは新章がスタート。『PASH!』(主婦と生活社)4月号に掲載されたアニプレックスプロデューサーの片岡裕貴氏のインタビューによると、本作は全13話でラストに卒業式を迎える予定だという。
現在7話ということは、実際のレースに例えると3コーナーを過ぎたあたりで、これから勝負どころの4コーナーへと向かっていくところだろう。ここから見事な巻き返しを見せてくれることに期待したい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
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