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JRAキタサンブラックもキングヘイローも赤っ恥の14着大敗……日本ダービー(G1)イクイノックスにかかる雪辱

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イクイノックス

 いよいよ29日、東京競馬場では日本ダービー(G1)が行われる。競馬の祭典とも呼ばれる、日本競馬において最も名誉あるレースであり、今年もその舞台にふさわしい18頭が世代の頂点をかけて激突する。

 今年は重賞勝利馬が除外対象となるほどのハイレベルなメンバーが集結したが、その中でも特段の注目を集めているのがイクイノックス(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)である。

 昨年の東スポ杯2歳S(G2)から異例の直行ローテでの皐月賞(G1)参戦も、日本ダービーを見据えてのもの。皐月賞の戦前から主戦のC.ルメール騎手も、「たぶん次のレース(日本ダービー)は勝てる」とコメントしており、日本ダービーへ並々ならぬ自信が伺える。

 約5か月の休み明けで臨んだ皐月賞でも2着に好走し、世代トップクラスの実力を証明。今回は一度叩いた分で状態もさらに上向きと思われ、ダービーへ向けて死角無しといった状態だ。だが一方で、イクイノックスの血統表を眺めると、とある不安が影を落とす。

イクイノックスの血はダービーと「相性」最悪?

 

 イクイノックスの父・キタサンブラックはG1・7勝、20年には顕彰馬にも選出された、言わずと知れた平成を代表する名馬である。実力はもちろんのこと、レースでは抜群の安定感を誇り、キャリアの中で3着以内を外したのはわずかに2度のみ。

 しかし、その内の1つが日本ダービーであった。

 キタサンブラックはデビュー以来無傷の3連勝でスプリングS(G2)を制覇、続く皐月賞でも3着に好走し、順調な臨戦過程で日本ダービーへと駒を進めた。

 日本ダービーでは道中で2番手につけたキタサンブラック。だがこの年の日本ダービーは前半の1000m通過が58.8秒というハイペースでレースが進み、結果的に先行勢には厳しい展開に。先行したキタサンブラックも流石にこのペースは応えたようで、最後の直線ではあえなく失速。勝利したドゥラメンテを含めて、上位の馬のほとんどは後方から脚を伸ばした馬であった。

 展開に泣き、結果的に14着に大敗したキタサンブラック。この日本ダービーでの敗戦は、キャリアにおいて唯一となる2桁着順での敗戦となっている。

 同様に、イクイノックスの母父にあたるキングヘイローも、期待されながら日本ダービーで結果を残せなかった苦い過去がある。

 キングヘイローは2歳(当時表記3歳)時に無傷の3連勝で東スポ杯3歳S(G3)を制覇。クラシック戦線ではスペシャルウィーク、セイウンスカイと共に「3強」として高い評価を受けていた。皐月賞では敗れこそしたものの、その評価に恥じない2着に好走。日本ダービーに向けても大きな期待が寄せられていた。

 しかし日本ダービーでは鞍上が馬を抑えきれずに、まさかの逃げを打つことに。キングヘイローの手綱を取っていた福永祐一騎手は当時デビュー3年目、日本ダービーの騎乗も初だった。ダービーの大舞台、加えて2番人気という重圧は当時の福永騎手には耐えがたかったようで、完全に雰囲気に飲まれてしまっていた。

 オーバーペースのまま先頭でレースを進めたキングヘイローは、当然ながら最後の直線で失速。キングヘイローにとってはキャリアで最悪となる14着での大敗を喫してしまった。

 イクイノックスの父・キタサンブラックと母父・キングヘイロー、この2頭はいずれも順調にクラシック戦線を歩み、皐月賞で好走したものの、日本ダービーでは大敗を喫している。経緯は異なるがオーバーペースに泣いた点も共通であり、日本ダービーの敗戦がキャリア最悪であった点、更にはその着順が14着であった点までもが共通している。

 昨年の日本ダービーでは大本命と目されていたエフフォーリアが2着に敗れたが、実はその父・エピファネイアも日本ダービーでは同様に2着に敗れている。更にはその負け方も、「ゴール直前でディープインパクト産駒に差される」という全く同じシチュエーションであり、まさに「血の宿命」とでもいうべき敗戦であった。

 イクイノックスにおいては、父のみならず母父までもが、日本ダービーで大敗を喫している。競馬はブラッドスポーツとも言われるが、「血の宿命」が存在するとすれば、イクイノックスの日本ダービーも苦い結果に終わってしまうかもしれない。

 日本ダービーにまつわる、苦い記憶が凝縮されているといえるイクイノックスの血統表。果たしてイクイノックスは「血の宿命」に屈してしまうのか、それともキタサンブラック・キングヘイローの無念を晴らす勝利を挙げるのか、雪辱の走りに注目したい。

(文=エビせんべい佐藤)

<著者プロフィール>

 98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。

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