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今年はより顕著…、国枝栄厩舎の「新馬戦」アレルギー

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 JRAの新馬戦もスタートからまもなく2カ月。近年は素質馬が早い時期にデビューすることも珍しくなく、将来を嘱望される大物候補も次々に登場している。

 一方で、当然ながら「新馬戦」はどの馬にとっても初めてのレースになる。どれだけ血統面の評価が良くても、馬体の見栄えが良くても、デビュー前の調教で良いパフォーマンスを見せていても、レースで1着が取れるとは限らない。だからこそ、時には驚くような波乱が起こることもある。

 高配当を生む要素のひとつが、人気馬の凡走だ。中でも、今年悪い意味で注目を浴びているのが「国枝厩舎の新馬戦」というキーワードである。

国枝栄厩舎の「新馬戦」アレルギー

 国枝栄厩舎といえば、JRA通算1001勝を誇る言わずと知れた東の名門。今年もすでに21勝をマークしている名伯楽のもとに有力馬が集まるのは自然な流れだが、6月にスタートした現2歳世代の新馬戦の成績は【1-1-1-8/11】と振るわない。

 その内容を見ても、平均人気が「2.1」に対して、平均着順は「6.2」。波乱を呼び込む条件のひとつである“人気馬の凡走”を引き受ける形になってしまっているのだ。

 ただし、これは今に始まったことではない。国枝厩舎はもともと新馬戦からしっかりと馬を仕上げてくるタイプではなく、過去に管理した名馬を振り返って見ても、三冠牝馬のアパパネやG1を9勝したアーモンドアイですら新馬戦では敗れていた。

 国枝師自身もかつて『netkeiba.com』の取材の中で、新馬戦について「キャリアのスタートであり、その馬のゴールではない」とコメント。目の前の一戦よりも、その先の将来性を重視しているという旨を語っている。

 今年も、世代トップクラスの素質馬として数多くのメディアに取り上げられ、大きな期待と注目を背にデビューしたダノンザタイガーが6月の新馬戦でよもやの2着。単勝1.4倍の支持を裏切る結果に、師は「これも競馬」と肩を落とした。

 つい先週も、インゼルレーシングの期待馬・シュバルツガイストが札幌の新馬戦で7着というショッキングな惨敗。これで新馬戦の連敗は6に伸びている。

 そんな国枝厩舎がトンネル脱出に挑むのが、30日の新潟5Rに組まれた芝1600mの新馬戦。戸崎圭太騎手とのコンビで送り出すのが、牝馬のモリーダーリンだ。

 父ハーツクライ×母マルケサという血統で、半兄のトラインと半姉のビューティフルデイはともにJRAで4勝をマーク。他の兄姉を見ても初戦から好走を見せている馬が多く、いきなりから期待が高まるのも不思議ではない。

 加えて、「育成時代から評判が良くて、入厩してからもずっと良い」と師の評価も非常に高く、「大きな舞台を目指したい」という頼もしいコメントも。数々の名牝を手がけた名伯楽から、これだけ楽しみな言葉が出てくるのだから、やはり注目せざるを得ない。

 期待通りのパフォーマンスを見せ、新馬戦の連敗をストップしてみせるのか。はたまた、今週も人気を裏切る結果に終わり、出口の見えないトンネルが続いて行くのか……。師の言うように新馬戦が「ゴールではない」ことは確かだが、こうした嫌な流れには早いうちに終止符を打っておきたいところだろう。

 土曜日の新潟5Rに登場するモリーダーリンはもちろんのこと、今後も新馬戦の出馬表に「国枝栄厩舎」の文字を見つけた際は、より注意深く向き合う必要がありそうだ。

(文=木場七也)

<著者プロフィール>
 29歳・右投右打。
本業は野球関係ながら土日は9時から17時までグリーンチャンネル固定の競馬狂。
ヘニーヒューズ産駒で天下を獲ることを夢見て一口馬主にも挑戦中。

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