目標はドバイ制覇!? 新種牡馬の産駒が好タイム勝ち
将来、海の向こうで大仕事をしてくれるかもしれない。
23日、札幌競馬場で行われた5Rの2歳新馬(ダート1700m)は、横山和生騎手の3番人気ミラーオブマインド(牡2歳、美浦・新開幸一厩舎)が力強く差し切って優勝。今年の札幌開催デビュー勝ち第一号に輝いた。
14頭立ての一戦。スタートはそれほど速くなかったミラーオブマインドだが、鞍上が手綱を押して好位の5番手あたりに取り付く。向正面に入ると1番人気ラリーレイドが後方から3番手まで押し上げたことで、やや出入りのある展開となる。
4コーナーでは本馬を含めた4頭が、後続を大きく引き離す形に。最後の直線に入ると2番人気のエコロドゥネスがいち早く抜け出したが、それをミラーオブマインドが猛追。残り100mで捕らえると、そのまま1馬身半突き抜けて快勝した。
「2着のエコロドゥネスも3着馬には10馬身差をつけているだけに、かなりの地力を秘めていると思われますが、それを並ぶ間もなく交わして最後は差をつけているのだから、ミラーオブマインドは大したものです。
ちなみに勝ち時計の1分47秒0は、札幌ダート1700mで開催された2歳新馬戦において歴代4位の好タイム。馬体にはまだ余裕があるように見えましたので、叩かれての上積みも十分見込めるでしょう」(競馬誌ライター)
人気どころの馬を抑えての完勝には、レース後のSNSやネットの掲示板にも「これは楽しみな勝ち方」「上のクラスでも期待できそう」など、多くの称賛コメントが寄せられている。
また、本馬の父である新種牡馬マインドユアビスケッツは、これが嬉しいJRAでの新馬戦初勝利にもなった。
現役時代25戦8勝のマインドユアビスケッツは、2017年にドバイゴールデンシャヒーン(G1)を優勝。翌年も同レースに出走すると、武豊騎手の日本馬マテラスカイなどを抑えて連覇を達成するなど、米国馬でありながらドバイの地でも活躍した。
その初年度産駒であるミラーオブマインドは、近親に今年のUAEダービー(G2)を勝ったクラウンプライドがいる。なにかと中東と縁のある血統でもあるだけに、本馬もゆくゆくはドバイ制覇が目標となってくるかもしれない。
「ミラーオブマインドはクラウンプライドのオーナーである吉田照哉氏が代表を務める社台ファームの生産馬でもあるだけに、今後の活躍次第ではドバイ参戦も視野に入ってくるかもしれませんね」(同)
「3、4コーナーで砂を被っても大丈夫だった。これから順調にいけば楽しみです」
レース後、騎乗した横山和騎手はミラーオブマインドの将来性を評価。また、管理する新開師は「強かった。思った以上に走ってくれて、ジョッキーも競馬を教えてくれた」と、人馬を手放しで褒め称えた。
この後は放牧に出してひと息入れる予定とのこと。次のレースは未定のようだが、ダート界に新たな大物候補が誕生したことだけは間違いなさそうだ。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
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