
川田×中内田「ドゥラメンテ産駒」でクラシックの頂へ
中央競馬は今週末と来週末の2週にわたって、暑熱対策の観点から小倉での開催を休止。札幌と新潟の2場でレースが行われる。
この2週間は有力関西馬が大挙、新潟に遠征することになるだろう。そのうちの1頭が土曜新潟5Rの2歳新馬(芝1600m)に出走予定のリバティアイランド(牝2歳、栗東・中内田充正厩舎)だ。
川田×中内田「ドゥラメンテ産駒」
父はクラシック2冠を制したドゥラメンテ、母は豪州でG1を2勝したヤンキーローズという血統馬で、1歳時にサンデーレーシングから総額4000万円(100万円×40口)で募集された。その際のカタログには「両親から受け継いだ勝負に対する執着心と卓越したスピードを引っ提げ、目指すはクラシックの頂であり、その先の海外挑戦の夢も抱かせます」と壮大な夢が記載されている。
「一口クラブの募集カタログは“盛った”コメントが多いのも事実ですが、この馬に関しては魅力的な血統に加え、育成過程を見ても将来的にG1の舞台を意識させるだけの逸材だと思います。
まず血統的には豪州で走った母が2歳時と3歳時に豪州で牝馬チャンピオンに輝いた早熟型で、半姉ロムネヤ(父ディープインパクト)が昨年9月の新馬戦を勝利し、それを証明しています。本馬は父ドゥラメンテに替わりましたが、母系にゴーンウエストの血が内包されている点がタイトルホルダーと共通。その点で単なる早熟馬には終わらない期待もできます。
仕上がりも早く、いったん4月に栗東に入厩し、6月の阪神デビューも見据えていました。ところが基礎体力向上を図るため、無理をさせずデビューを1か月以上先延ばししました。陣営のこの判断も吉と出そうです」(競馬誌ライター)
今月上旬に栗東に再入厩したリバティアイランドは、坂路を中心に乗り込まれてきた。1週前には坂路で53秒1-12秒2をマークすると、27日の最終追い切りはCWで終い重点の追い切り。ラスト2ハロンは11秒3-11秒1と父譲りの鋭い切れ味を見せた。

血統面と状態面に加え、厩舎力もデビュー勝ちを後押しするはずだ。管理するのは2歳戦にめっぽう強い中内田厩舎。そして鞍上には、やはり川田将雅騎手が配された。
中内田厩舎×川田騎手の“黄金コンビ”は、これまでJRAで多くの重賞ウイナーを送り出しているが、そのほとんどの新馬戦に川田騎手が騎乗していた。代表的なところでは昨年の朝日杯FS(G1)と、今年のNHKマイルC(G1)で1番人気に支持されたセリフォスがいる。
ほかにも、重賞勝利には至っていないがアートハウスが今年のオークス(G1)で2番人気に支持された他、グレナディアガーズやダノンプレミアムなど、クラシック勝利こそないが2~3歳戦においてこのコンビに勝るコンビはいないといっても過言ではないだろう。
日曜の新潟2歳新馬(5R・芝1800m)にも牡馬の大物候補、ダノントルネードを送り込む黄金コンビ。まずはリバティアイランドが先陣を切ることはできるか。早逝した父ドゥラメンテの大物候補として、そしてクラシックの頂を目指すためにも初戦勝利は至上命題だ。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。
PICK UP
Ranking
17:30更新「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
成績低下のM.デムーロ、三浦皇成に「不穏」な噂…腕だけなく馬質も重要な騎手業、彼らが不満を隠せなかった「決定的な理由」とは
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 天才・武豊と帝王・岡部幸雄の意地がぶつかり合った「天と地」の決戦。天皇賞・春(G1)に25年の時を経て再び訪れた「世紀の対決」
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- JRA“6億円馬”ディナシー「セレクトセール最高落札馬は走らない」負の格言代表的存在が繁殖牝馬セールへ
- 武豊騎手「パドック意味なし」発言に仰天……馬券購入セオリー「完全否定」のトップ騎手たちが語るパドック必勝法とは
- サトノアラジンに「鬱」疑惑!? 香港マイル(G1)に挑む日本マイル王の電撃引退の「裏事情」とは