
ノーザンファームがレールを敷いた「マイル王への道」にいざ挑戦!「出世」新馬戦の勝ち馬がグランアレグリアやサリオスの再現狙う
2日、中山2Rの2歳未勝利戦(芝1600m)でオールパルフェ(牡2歳、美浦・和田雄二厩舎)が勝利。好スタートからハナに立って主導権を握ると、直線も後続を突き放して最後は2馬身差の完勝。単勝オッズ1.5倍の人気に見事応えた。
オールパルフェ自身も先々が楽しみになるパフォーマンスを見せたが、同馬の勝利によって戦わずして価値を上げた馬がいる。ノッキングポイント(牡2歳、美浦・木村哲也厩舎)だ。
両馬は新馬戦で対戦している。今回と同様にオールパルフェが先手を取り、1000m通過が61.6秒とマイル戦にしてはスローな流れでペースメイクした。オールパルフェも楽な感じで直線を迎えるが、それ以上に唸る手応えだったのがノッキングポイント。ラスト200mで前を捉えると、ノーステッキで3馬身突き抜けた。
ノッキングポイントの上がり3ハロンは33.2秒という出色のタイムで、レースラップも11.4→11.2→11.1とスピードを上げながらゴールする“加速ラップ”を記録している。全力で追っていれば、更に着差を広げていた可能性もあるだろう。
そして、この新馬戦からは2着オールパルフェの他に4・5着馬も勝ち上がり済みだ。掲示板(5着以内)で唯一勝てていない3着バロックダンスも、後に新潟2歳S(G3)を勝つキタウイングとハナ差の接戦を演じている。
そんなハイレベルな一戦を制したノッキングポイントは、今週行われるサウジアラビアRC(G3)へ出走を予定している。重賞昇格以降の勝ち馬7頭中4頭が後にG1馬となっている出世レースは、ノッキングポイントが勝利した6月東京開幕週に行われるマイルの新馬戦とも繋がりが深い。
「マイル王への道」にいざ挑戦!
初代覇者のブレイブスマッシュを始めとし、グランアレグリア、サリオス、コマンドラインという歴代勝ち馬の4頭が上記の新馬戦でデビューしているのだ。また、ステルヴィオも同じ番組で初陣を迎え、サウジアラビアRCでは2着に敗れたものの、後にG1馬へと飛躍している。
以前、ノーザンファーム代表の吉田勝己氏は『丸ごとPOG2020~2021 (週刊Gallop臨時増刊)』(産経新聞社)のインタビューで「2歳戦が早くなった番組に合わせてデビューし、勝っていくことがクラシックにつながります。間隔をあけながら成長を促すことができますから」と早期デビューの重要性を説いていた。
6月にデビューし、夏場はじっくりと成長に充てて、秋の東京で復帰するというローテーションはまさにこの方針通りだ。6月東京の新馬戦にノーザンファームのエース格が出走してくることは、G1制覇に向けた壮大な計画の“始発駅”のようなものだろう。
中でも開幕週のマイル戦に出走する馬はスピードに優れているようだ。前述のグランアレグリア、サリオス、ステルヴィオは後にマイルのG1レースを勝利している。
まずは期待馬が揃う新馬戦を制して、ノッキングポイントが“マイル王ロード”への挑戦資格を得た。新馬戦に勝利した際、鞍上のC.ルメール騎手は「1600m(という距離)もちょうど良いです」とコメントしている。同馬の父モーリスは国内外のマイルG1を4勝した名マイラーで、マイル適性は高そうだ。
初戦の勝ち方に加えて、負かした相手も次々勝ち上がったとなれば、ノッキングポイントがサウジアラビアRCで1番人気となる可能性は高い。ファンの支持に応え、ここを通過点とするくらいのレースを見せられれば、その先には自ずとマイル王への道が拓けてくるだろう。
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