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スターズオンアース「年内絶望」に思い出されるデアリングタクトの苦難。復帰は来春以降か

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スターズオンアース

 23日、今春の桜花賞(G1)、オークス(G1)を制した二冠牝馬スターズオンアース(牝3歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)が左前肢の繋靭帯炎を起こしたため、年内休養となることがわかった。所属する社台レースホースが発表している。

 史上7頭目の牝馬三冠が懸かった秋華賞(G1)で3着に敗れたスターズオンアース。残念ながら快挙を逃してしまったが、高柳瑞調教師が「絶望的な位置から、よく最後は伸びてきたと思う」と健闘を称えたように最後の直線で見せた末脚は際立っていた。

 しかし、秋華賞のレース後の馬体チェックで左前肢に若干の張りが認められ、20日に大事を取って山元トレーニングセンターへ移動。23日にエコー検査を行ったところ炎症が確認された。

 スターズオンアースといえば、春のオークスを勝った後にも両前脚の第1指骨剥離骨折が確認されており、今回の秋華賞は骨片摘出手術を受けての復帰戦だった。それだけにファンからもSNSや掲示板などで度重なる故障を心配する声が聞かれているが、復帰は「もしかしたら長引くかもしれない」とのことだ。

「繫靭帯炎は脚の球節にあたる部分が炎症を起こしてしまう症状です。骨折などと違い、あくまで炎症ですが、球節は競走馬にとって着地した際の衝撃を緩和する役目を担っている重要な箇所。ここを痛めてしまうと走りに重大な影響を及ぼしてしまうため、そのまま引退というケースも珍しくありません。有名なところではシンボリルドルフやメジロマックイーン、最近ではフィエールマンが、この繫靭帯炎を機に引退を余儀なくされています。

今回のスターズオンアースの場合、今のところ年内休養としか発表されていませんが、復帰までは意外に時間が掛かってしまうかもしれません」(競馬記者)

スターズオンアース「年内絶望」に思い出されるデアリングタクトの苦難。復帰は来春以降かの画像2
デアリングタクト 撮影:Ruriko.I

過去にはデアリングタクトも繫靭帯炎を発症し…

 実際にスターズオンアースと同じように繫靭帯炎を発症し、カムバックを果たしたものの約1年1か月の休養を余儀なくされたのが、2020年に無敗で牝馬三冠を成し遂げたデアリングタクトだ。

 一昨年の秋華賞で史上初となる無敗の牝馬三冠を成し遂げたデアリングタクトはその後、ジャパンC(G1)で当時の現役最強馬アーモンドアイ、同世代の牡馬三冠馬コントレイルと初対決。なお、このレースは先日JRAがアニバーサリー企画として行った「競馬名勝負列伝」でファン投票・第1位に選ばれるほどの激闘だった。

 ここで3着に敗れ、キャリア初の敗戦を喫したデアリングタクトは、その後アーモンドアイが引退した競馬界を背負って立つ存在として期待された。だが、翌年5月のクイーンエリザベス2世C(G1)後に繫靭帯炎を発症。ターフに帰ってきたのは今春のヴィクトリアマイル(G1)と、約1年1か月の長期休養を強いられている。

「実はコントレイルも昨年の大阪杯(G1)後に繫靭帯炎を発症していたそうです。公式のアナウンスこそありませんでしたが、引退後に矢作芳人調教師が直木賞作家の馳星周さんと対談した際に、その旨を明かしていました。

ただ、コントレイルは予定していた宝塚記念(G1)を回避したものの、秋の天皇賞(G1)で復帰。休養期間は約半年となっています」(別の記者)

 社台レースホースの発表によると、今回のスターズオンアースの繫靭帯炎は「若干の張り」ということで、コントレイルのように早期に復帰できるかもしれない。秋華賞で敗れはしたが、世代を代表する存在という評価は変わらない。ファンの多い馬だけに、来春のG1シーズンでその姿が見られることを祈るばかりだ。

大村克之

大村克之

稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

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