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【マイルCS(G1)展望】女王ソダシVS 3歳王者ダノンスコーピオンVS復活のサリオス!

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ソダシ 撮影:Ruriko.I

 20日、阪神競馬場ではマイルCS(G1)が行われる。京都競馬場の改修工事に伴い、これで3年連続の阪神開催。過去2年は、1-3-5番人気、1-2-5番人気と平穏決着だったが、今年はどうか。早速展望していこう。

 主役の1頭は白毛のアイドル・ソダシ(牝4歳、栗東・須貝尚介厩舎)だ。メンバー中で唯一G1を複数(3勝)勝っていて、実績では最上位の存在。しかも3勝全てがマイル戦で、馬場を問わない生粋のマイラーである。

 ただ、その3勝がいずれも牝馬限定戦だったことも事実で、牡馬の一線級相手に通用するかどうかは走ってみないとわからない。

 今年は5月のヴィクトリアマイル(G1)を制した後は、札幌記念(G2)で連覇を狙ったが5着に完敗。陣営は2000mの距離に見切りをつけ、秋はマイル路線専念を決めた。

 直行の選択肢もあったが、10月の府中牝馬S(G2)でひと叩きされ、この秋の最大目標を迎える。その前走は単勝1.9倍の断然人気に推され、道中は好位のインを追走。直線は先行集団を早めにつかまえて順当に勝利するかと思われたが、イズジョーノキセキの強襲に遭いまさかの2着に敗れた。

 ただし他馬よりも2kg重い56kgを背負っていたことも大きかった。もし同斤量なら完勝していた可能性は高く、今回は斤量を言い訳にはできない。競馬界で屈指の人気を誇る純白のヒロインが自身4度目の“最優秀主演女優賞”を獲得できるかに注目だ。

 ソダシと主役の座を争うのは牡馬のマイルG1ウイナーだろう。

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シュネルマイスター 撮影:Ruriko.I

 シュネルマイスター(牡4歳、美浦・手塚貴久厩舎)は、昨年の当レースでグランアレグリアと3/4馬身差の2着に食い込み、マイル路線を牽引する存在になるはずだった。

 ところが今年の始動戦となったドバイターフ(G1)で8着に敗れると、安田記念(G1)はソングラインに競り負けて2着。今秋は初の1200m戦となるスプリンターズS(G1)から始動したが、自己最低着順の9着に沈んでいる。

 前走は初距離で、前半3ハロン32秒台のハイペースについて行けなかったことが全て。8枠15番の外枠も手伝って道中は外々を回ったことも響いた。直線が短く、イン有利だった中山の馬場で、あの位置取りでは届くはずもなかったか。

 それでも勝ったジャンダルムには0秒5差まで詰めており、ベストのマイルに戻る今回は大きな上積みがあってもいいはずだ。

 鞍上は代打を務めた横山武史騎手から主戦のC.ルメール騎手に戻る。国内のレースに限ればこのコンビは「3-2-0-0」と連を外していない。秋初戦にスプリンターズSを選択した陣営の判断は果たして吉と出るか。

 近2走の内容から好勝負が望めそうなのはサリオス(牡5歳、美浦・堀宣行厩舎)だ。

 3歳時は三冠馬コントレイルのライバル的存在だったが、日本ダービー(G1)後はマイル路線へシフト。今年春には高松宮記念(G1)に出走し15着に終わると、“迷走状態”とも言われた。

 しかし、8番人気まで評価を落とした安田記念で3着に激走すると、秋の始動戦となった毎日王冠(G2)で2年ぶりとなる復活勝利を挙げた。

 その前走は、好位追走から直線で前が壁になり減速を強いられる厳しい競馬。しかし狭いスペースをこじ開けると残り100mで再度加速し、持ち前の勝負根性も発揮した。

 マイルCSは3歳時から3年連続の参戦。3歳時は2番人気で5着、昨年は3番人気で6着と期待に応えることはできていない。

 注目の鞍上は前走勝利に導いた松山弘平騎手から、イギリスの剛腕R.ムーア騎手へ乗り替わる。19年の朝日杯FS(G1)以来、3年ぶりのコンビ再結成でG1・2勝目を狙う。

 ここまでマイルG1の勝利経験がある古馬3頭の名前を挙げたが、古馬と手合わせ済みの3歳馬4頭にも注意が必要だ。

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ダノンスコーピオン 撮影:Ruriko.I

 3歳馬のエース候補はダノンスコーピオン(牡3歳、栗東・安田隆行厩舎)。春にはアーリントンC(G3)とNHKマイルC(G1)を連勝した実力馬で、秋初戦の富士S(G2)は3着に敗れたが、勝ったセリフォスからは「クビ+クビ」差の接戦だった。

 同世代のライバルに先着を許したが、2kgの斤量差があったことは覚えておきたい。これまでの競馬を見ても叩き良化型で、富士S組の中では最有力候補といえる存在だ。

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セリフォス 撮影:Ruriko.I

 その富士Sでダノンスコーピオンを破ったセリフォス(牡3歳、栗東・中内田充正厩舎)は、安定感という点では負けていない。

 デビューからマイル戦だけを使われ、すでに3つの重賞タイトルを獲得。ダイワメジャー産駒らしく堅実に駆けるタイプで、安田記念でもソングラインと0秒1差の4着に食い込んでいる。今回は藤岡佑介騎手からD.レーン騎手へ乗り替わりとなるが、陣営の勝利に懸ける意気込みといえそうだ。

 3頭目の3歳馬がマテンロウオリオン(牡3歳、栗東・昆貢厩舎)である。

 1月にシンザン記念(G3)を制し、春はニュージーランドT(G2)とNHKマイルCで連続2着したように世代屈指のマイラー。その後は日本ダービーに向かったが、やはり距離が長かったのか17着に大敗した。

 秋はスワンS(G2)から始動したが、阪神内回りコースで4角17番手からでは7着に追い上げるのがやっと。それでも上がり3ハロン最速タイの末脚を使っており、外回りのマイル戦となる今回は巻き返しがあっても驚けないだろう。

 3歳馬の中で最も格下扱いなのがピースオブエイト(牡3歳、栗東・奥村豊厩舎)だ。ダービーこそ最下位18着に敗れたが、それ以外の5戦は全て掲示板を確保している。

 デビュー3連勝を飾った毎日杯(G3)は逃げ切り、前走・富士Sは4角13番手から4着に追い込んでいるように自在な脚質も魅力だ。C.デムーロ騎手の思い切った騎乗にも期待したい。

 この他には、昨年の3着馬ダノンザキッド(牡4歳、栗東・安田隆行厩舎)、今回と同コースのマイラーズC(G2)を制しているソウルラッシュ(牡4歳、栗東・池江泰寿厩舎)、前走の関屋記念(G3)で3連勝を飾ったウインカーネリアン(牡5歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)などマイル実績がある“脇役陣”も虎視眈々と上位を狙う。

 ソダシがライバルたちの挑戦を脇に主役の座を射止めるのか。それとも白毛のヒロインを主役の座から引きずり下ろす新王者は誕生するのか。秋のマイル王決定戦は20日の15時40分に幕を開ける。

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