
「負けて強し」ウインマリリン2着をアンカツも絶賛!見せ場十分も悲願達成ならず

最後の1ハロンを越えた時、先頭にいたのはウインマリリン(牝5歳、美浦・手塚貴久厩舎)だった。
「道中も良かった。馬場も問題なく、いい競馬をしてくれた」
13日に行われた牝馬No.1決定戦・エリザベス女王杯(G1)。レース後、鞍上のD.レーン騎手がそう称えた通り、ここまで完璧なレース運びだったウインマリリンは、ゴールまで200mを切っても脚は残っていた。
「1頭強い馬がいたが、一生懸命走ってくれた」
しかし、ゴール寸前にジェラルディーナが外から強襲。C.デムーロ騎手の力強い檄に応えた三冠牝馬の娘が並ぶ間もなく交わし去ると、最後はライラックとの2着争いを同着に持ち込むのが精一杯だった。
「負けて強し」ウインマリリン2着をアンカツも絶賛!
結果は完敗だったが、元JRA騎手のアンカツこと安藤勝己氏はTwitterを通じて「ウインマリリンは負けて強し」と絶賛。「惜しむらくは馬場。良なら押し切ってたかもしれない」と言い切っている。
それもそのはず。今年のエリザベス女王杯は極端な前崩れの流れだったからだ。掲示板(5着以内)に載った5頭の内4頭が4コーナーを10番手以下で回っており、先行勢で唯一粘り込んだのが2番手にいたウインマリリンだった。
「ウインマリリンの陣営にとっては悔しい結果でした。昨年は持病の肘の影響もあって16着に大敗。今年は早めに栗東入りする気迫も見せていましたし『(昨年とは)雲泥の差』『なんとかここでG1を勝たせてあげたい』と自信を持って送り込んでいたのですが、あと一歩足りませんでした。
これでオークス(G1)に続く2度目のG1・2着。手塚調教師も以前から『G1を勝てる器』と話していますし、なんとかこの悔しさを晴らしてほしいのですが……」(競馬記者)
記者が最後に言葉を濁したのは、ウインマリリンが所属するウインレーシングクラブには6歳春で引退する規定があるからだ。
つまり5歳牝馬の本馬にとっては、今回が最後のエリザベス女王杯。距離適性を考慮して残りの現役期間で挑戦できそうなG1といえば、ジャパンC(G1)や有馬記念(G1)といった超一線級の牡馬が相手になるレースになる。
現実的に考えればG1未勝利のまま引退する可能性が高まってきたといえるが、ウインマリリンは過去にオールカマー(G2)や日経賞(G2)といった重賞を勝った女傑。強豪牡馬相手でも一発が期待できる実力派だ。
「同じエリザベス女王杯の2着馬だったメイショウベルーガを思い出しました。G1こそ手が届きませんでしたが、牡馬を相手に日経新春杯(G2)や京都大賞典(G2)を制覇。ウインマリリンもそうですが、2000mを超える重賞を牝馬が勝つことは珍しいので印象に残っています。
繁殖入りしてからもメイショウテンゲン(弥生賞)やメイショウミモザ(阪神牝馬S)といった重賞ホースを出しましたが、結局今もG1には手が届いていません」(同)
そのメイショウベルーガは今年8月に他界。主戦騎手だった池添謙一騎手らの「ありがとう」といった温かい言葉で送り出されている。いよいよG1制覇が厳しくなったウインマリリンだが、まだチャンスが完全に消えたわけではない以上、最後まで応援したい。
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