ジャパンC(G1)イクイノックス回避で浮上する「超新星」がR.ムーアと新コンビ!
23日に東京競馬場で行われるジャパンC(G1)の登録馬が発表され、いよいよ陣容が
固まってきた。
今年はJRAが東京競馬場内に検疫施設を新設した影響もあって、外国馬が大挙登録。久々にジャパンCの名に相応しい、国際色豊かなメンバーになりそうだ。
だが当初、凱旋門賞馬アルピニスタ参戦の可能性が高まり、例年以上の注目を集めたものの、調教中に軽度の故障を発症したため大事を取って引退。さらに天皇賞・秋(G1)を制した3歳馬イクイノックスの回避も決まって、最終的には2枚看板を失った格好だ。
アーモンドアイとコントレイル、デアリングタクトという3頭の三冠馬が激突した一昨年、コントレイルが感動のラストランを飾り、そのまま引退式を行った昨年と比較すると、やや寂しいメンバーになった感が否めない今年のジャパンC。結局、主役は昨年のダービー馬シャフリヤールが務めることになりそうだ。
だが、メンバーのレベルが下がれば必然的に“脇役”にもチャンスが生まれる。中でも日に日に不気味さを増しているのが、これがG1初挑戦となるヴェラアズール(牡5歳、栗東・渡辺薫彦厩舎)だ。
「過去のレースを観て『しっかりした脚を使えるな』と思っていたのですが、思っていた以上の脚を使ってくれました」
10月の京都大賞典(G2)だ。これが重賞初挑戦だったヴェラアズールだが、終わってみれば2着ボッケリーニに2馬身半差の完勝劇。上がりハロン33.2秒であっさりと突き抜けた末脚は、今回が初コンビだった松山弘平騎手を驚かせた。
「2着のボッケリーニに騎乗していた池添謙一騎手が『並ぶ間もなく交わされて抵抗できなかった』『勝ち馬を褒めるしかない』と完敗を認めていましたが、本馬は春の日経賞(G2)でタイトルホルダーと接戦を繰り広げ、続く目黒記念(G2)をトップハンデで優勝と充実一途だった存在。
この京都大賞典でも1番人気に推されていましたし、池添騎手も上手く勝ちパターンに持ち込んでいたのですが、ヴェラアズールにあっさりと交わされてしまいました。今年の3月から芝に転向して、これで5戦3勝3着2回。芝ではまだ底を見せていませんし、ジャパンCでも不気味な存在だと思います」(競馬記者)
とはいえ、この時点ではジャパンCの伏兵の1頭に過ぎなかったヴェラアズール。しかし今月に入って、さらに注目が高まっているという。
「ヴェラアズールが2走前のジューンS(3勝クラス)で2着に負かしたのがブレークアップ。そのブレークアップが今月6日のアルゼンチン共和国杯(G2)を完勝しています。ジューンS当時は着差の1馬身3/4も然ることながら、ヴェラアズールの方が1キロ重い斤量。舞台はジャパンCと同じ東京・芝2400mでした」(同)
自身の重賞初制覇だけでなく、2走前に負かしたライバルがG2勝ち。さらに目標のジャパンCでは、アルピニスタやイクイノックスといった最有力候補が相次いで回避を表明……。
ここまで機運が高まってくると、陣営が色気を持つのも当然か。今回は京都大賞典で騎乗した松山弘平騎手がデアリングタクトに騎乗する可能性が高かったため新たな鞍上が注目されていたが、白原の矢が立ったのがR.ムーア騎手。世界トップレベルというだけでなく、日本でもG1・8勝を誇る名手だ。
「ジューンSで騎乗したC.ルメール騎手も『2400mはピッタリ』と話していましたし、京都大賞典を勝った際は『ジャパンCで金になるのはこの馬』と密かに狙っていたのですが……。ここまで条件が揃ってくると、ファンも軽視してくれないでしょうね。実績面では一歩劣るヴェラアズールですが、上位人気の一角になると思います」(同)
先週のエリザベス女王杯(G1)では、前走のオールカマー(G2)で重賞初制覇を飾ったジェラルディーナが、勢いそのままにG1制覇。競馬界の勢力図が大きく塗り替わる秋になるかもしれない。
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