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3連単「平均配当」37万円! 怪物大集合の東スポ杯も?波乱続く2歳重賞

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 19日、東京競馬場では来年のクラシックを占う2歳重賞・東京スポーツ杯2歳S(G2)が行われる。

 直近の勝ち馬には昨年のイクイノックスに、2年前はダノンザキッド、そして3年前はコントレイルといったそうそうたる名が並んでいる出世レース。今年も来年のクラシックを見据える楽しみな面々が参戦を表明した。

 ハーツコンチェルト(牡2歳、美浦・武井亮厩舎)は9月に中京・芝2000mの新馬戦でデビューを果たし、2着に8馬身差をつける完勝。記録した上がり3ハロン33秒9は同2位の馬と比較しても1秒6も速く、次元の違う差し脚で先行した2頭を飲み込んだ。

 デビュー戦の衝撃度で言えば、フェイト(牡2歳、栗東・矢作芳人厩舎)も負けていない。こちらは8月の新潟・芝1800mで行われた新馬戦で5馬身差の快勝。新種牡馬リアルスティールの産駒で、父を管理した矢作厩舎が手がける有望株。騎手も父の主戦だった福永祐一騎手という縁もあって、代表産駒としての飛躍に期待がかかっている。

 加えて新馬勝ちこそならなかったものの、デビュー前の注目度では2頭よりも上だったダノンザタイガー(牡2歳、美浦・国枝栄厩舎)もここに参戦。フェイトが新馬勝ちした翌週の新潟・芝1800m戦で単勝1.2倍に応える初勝利を挙げており、使った上がり3ハロンはフェイトより0秒6速い33秒9。その能力を示して見せた。

 各媒体の2歳馬格付でも上位に入る3頭が府中に集結。どの馬が先頭でゴール板を駆け抜けるのか、来年の春を占う上でも重要なレースとなりそうだ。

 だが、それと同時に競馬ファンの中には「そうスンナリと決まるのか?」という思いを抱く人もいることだろう。

今年の2歳重賞は3連単100倍超えの万馬券が連発!

 というのも、今年の2歳重賞は例年以上に波乱が連続しているからだ。7月16日の函館2歳S(G3)を皮切りに、ここまで開催された9レースのうち、1番人気が勝利したのは札幌2歳S(G3)のドゥーラだけだった。

 9つのレース全てで3連単は100倍超えの万馬券となっており、今月の京王杯2歳S(G2)でも222万円超えの高配当が飛び出したことも記憶に新しい。3連単の平均配当は「37万810円」で、これだけでも一筋縄ではいかないことが見て取れる。

 こうした波乱の一因となっているのが、初戦で圧巻のパフォーマンスを見せた素質馬の思わぬ躓きだ。

 例えば、サウジアラビアRC(G3)に出走したノッキングポイントがその一頭だ。同馬は6月4日に東京・芝1600mで行われた新馬戦に快勝。後続に3馬身差をつけ、使った上がり3ハロンも33秒2という文句のない内容で東の一番星となった。だが、2戦目は出遅れが響いて単勝1.4倍を裏切る4着に敗戦。出遅れに加え、初戦と比べて前半のペースが1秒3も速くなったことも堪え、脆さを見せてしまった。

 牝馬戦線でも、アルテミスS(G3)で単勝1.4倍に推されたリバティアイランドがあと一歩届かずの2着。川田将雅騎手が「進路のない競馬になってしまい、直線も待たないといけなくなりました」と振り返ったように、内枠で厳しいマークに遭ったことが波乱の呼び水となった。

 新馬戦のパフォーマンスが衝撃的であればあるほど注目は集まるのだが、当然ながら条件や相手が変われば同じパフォーマンスができるとは限らない。ましてやまだキャリアの少ない2歳馬であればなおさらだ。

 ハイペースへの対応や、馬群に揉まれながらの戦い、さらには内枠や外枠、馬場のコンディションなどなど、これまで経験していなかった課題に突然直面し、実力を発揮できないままレースが終わってしまうということは決して珍しいことではない。

 それだけに2歳戦を人気馬から入っていいものか、と疑心暗鬼になるのも自然な流れだろう。いよいよ12月の2歳G1も近づいてくる中、この波乱がまだ続いていくのか、はたまた上述した有望株がその実力をしっかりと示し、スターへの階段を登っていくのか。今週も2歳重賞から目が離せない。

木場七也

木場七也

29歳・右投右打。

本業は野球関係ながら土日は9時から17時までグリーンチャンネル固定の競馬狂。

ヘニーヒューズ産駒で天下を獲ることを夢見て一口馬主にも挑戦中。

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