
桃井はるこが穴党になった理由を激白! オタク界の競馬女王がかしわ記念(G1)で期待する5頭とは?【モモーイの超!大穴でグッジョブ!第2回】
私はダート競馬が好きなんです。そして、穴党なんです。なぜかって? 理由は色々ありますが、今回は私の競馬の原体験のお話をいたしましょう。それは、2013年の年末のことでした。
もともとプロ野球などのスポーツ観戦が趣味だった私は、よく新聞の1面を飾っているオルフェーヴルが第58回有馬記念(G1)で引退すると知り、全くミーハーな気持ちでWINS後楽園へと向かいました。初心者コーナーで「オルフェーヴルください」とだけ告げ、案内されるままマークカードを塗りつぶし単勝馬券を購入。フロアで画面越しにその勝ちっぷりと池添謙一騎手のヒーローインタビューを見届けたのです。
その強さ、みんなの期待に応えるかっこよさに魅かれ「どうしても本物の競馬を観てみたい!」となって、7日後には東京大賞典(G1)のゴール前にいました。大井競馬場での年末の大一番、1着になったのはホッコータルマエ。パドックで光り輝く馬たちの大きさと美しさ、目の前に広がるダートコースを土煙を上げて走る力強さを目の当たりにし、すっかり競馬に恋してしまいました。そして「今度はタルマエが走るJRAのG1レースを観に行きたい!」と、翌年2月、初めて東京競馬場に向かったのです。
競馬場へ行く電車を待つ昼下がりの駅には、のどかな空気が流れていました。ふとホームの隅のベンチを見ると、フェブラリーS(G1)の出馬表がでかでかと印刷されているスポーツ新聞を持った若いお父さんと、その膝の上には幼稚園児くらいのお下げ髪が可愛い娘さんがいました。私は同じベンチの少し離れた席に腰を下ろしました。今でいう歌手の「ののちゃん」のような、おしゃまな女の子がお父さんと楽しそうにおしゃべりしているのが聞こえます。
ふとお父さんが「なぁ、この中で今日、どれが勝つと思う?」と新聞を広げ女の子に見せました。女の子は「うーん」と少し考えたあと「これ!」と元気に紙面を指します。お父さんはちょっと困ったふうに、諭すような口調で「これはね、いちばん人気がない馬だから、勝たないんだよ。他は?」と聞きました。しかしその後、電車が来るまで、女の子は何回聞かれても「ううん、これがいいの!」と、頑として自分の意見を曲げませんでした。その女の子が推していた馬こそ、その年の優勝馬、コパノリッキーだったのです。もっとも、女の子は「この人がいい」と、田辺裕信騎手のほうが気に入った様子でしたが。
その数時間後。私は、ゴール板の前で砂煙を上げ駆け抜けた16頭の馬のお尻を目で追っていました。そこで、行きのホームで見かけた親子の会話がオーバーラップしてくるのでした。
コパノリッキーは最低人気から目の覚めるような優勝を果たしました。2番人気のホッコータルマエはまさかの2着。私は、騒然とする場内の雰囲気に、競馬に絶対はないということを肌で知るのでした。
果たしてあのお父さんは娘さんのいう事を聞いて、272.1倍の単勝馬券をゲットできたのだろうか。ぼうっとしていた私は、後ろにいた女性の嬌声で我に返ります。振り返るとOL風の女性が、応援馬券を高く掲げながら「田辺君!応援してきてよかった!タンプク!持ってる!」と飛び跳ねていました。競馬に詳しそうな周りの男性達に「すごいね、これで何買うの?」と聞かれて、女性は「えーと、ヴィトン!」と答えました。最っ高の笑顔で。
これが、私の競馬場での原体験です。こんなことがあったら、ダートレースが好きで、しかも穴馬を仕留めたいと思うようになるのは、ごくごく自然なことですよね。
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